“新人いびり”で有名な職人
逆に、意地の悪い作業員がいることも事実だ。
若手でまだ仕事がよく分からない管理者に対し、わざと専門用語で話して話を難しくし、ベテランでさえも返事に困るようなことを聞いて来るような輩もいる。若手が返答に困ってるのを見て、それを楽しんでいるのだ。
そういう扱いを受けた若手管理者が、私に泣きついて来た時があった。私は、すぐにその作業員のところに行き、こう伝えた。
「○○さん、そんな難しいこと即決で答えろなんて無理言わないで下さいよ。誰だって新人の頃は何も分からないんだから、逆に知識が豊富な人が優しく教えてあげてもらえませんか?」
そう言うと、ちょっとしどろもどろしながら作業員はこう答えた。
「分かったよ!俺は別にイジめたわけじゃないよ!現場管理する人間なら、この程度のことは分かるだろうと思って聞いただけだよ!」
チラッと若手を見ながら、作業員はこう付け加えた。
「でもさぁ、そんなことでいちいち上の人間に言い付けて助けてもらうなんて、ちょっと情けなくね~か?」
この職人は、新人いびりで現場では有名人だ。鉄筋の職人で、確かに鉄筋や配筋、施工図面に関しては、並みの管理者より遥かに知識は上だ。言ってることも筋が通っている。
そこで、その新人には策を授けた。
「鉄筋のことは何でも知ってるくらい、知識が豊富な職人と知り合えたことに感謝し、これからは少し下手に出て、分からないので教えて下さい!と何でも聞いたらどうだろう。そして、あの職人がウ~ン!と唸って考えるような質問ができるようになれば、君も一歩前進したと思えるんじゃないの?だから、逃げずにやってみなよ!建築では、鉄筋とコンクリートの知識は本当に大切な基本中の基本。だから、これは逆にチャンスだぞ!」と。
建設現場での役割が違うだけ
“現場管理者のほうが上”という意識が強すぎると、管理は上手く行かない。確かに、全てを知ったうえで結論を出すのが理想だが、その境地に達することはなかなか難しい。
私も見栄を張って、分かったフリをして、職人の質問に対して「じゃ明日答えだすから!」と伝え、その晩に一生懸命参考書を開いて調べた経験が何度もある。翌日は、さも当然と言った顔で、昨夜覚えたことを百年前から知ってたような顔で職人に伝えるのだ。
分からないことを自分で調べることも大切だが、実経験を積んだ人から得られるものはやはり大きい。それを実感してからは、この人と思える職人に出会ったらトコトン色々なことを質問し、自分の中に蓄え、それを裏付けるために資料を読み漁った。
冒頭に書いたような失敗は誰にだってある。また、新人の頃は、職人から信頼を得るために、コツコツと努力することも必要だ。
“管理者が職人より上”などと思わず、建設現場での役割が違うだけ程度の認識が一番良いのではないだろうか。
とても良い記事です。
建築・土木に関わる多くのひとが参考にしてほしい。
同感です。
管理者と職人とは役割が違うのであって、上下ではないと思う。
良い記事。誰が上とかじゃない。
単に正確の悪い管理者が居ただけの事!よくある事だ!
それより、記事投稿してる方が安全担当とかっての方が気になる!
何故、長い経験有ると言ってるのに安全だけなんだろう!
その、不協和な関係の間に入り、助言やら仲裁して頂けると良いのだが!
この記事書いた人は、勘違いしているのかな?
管理者・職人という前に契約は、対等だという原則を忘れていない
だろうか?
それは、あらゆることに通じます。
コンビニにで買い物しても、店と客は対等です。
これは良い記事。
ルールや理想がどうであれ、現実の問題として金を貰えないと困る下請け側は立場が弱くなる。そしてそれをして元請側が強いのだと勘違いする人がいる。
元請は自分ではできない仕事があるから下請けを呼ぶのだし、下請けは自分では管理出来ないから元請に指示を仰ぐ。そうでないのなら元請は下請けを呼ぶ必要がないし、下請けも元請の下に入る必要が無い。
営業から施工まで全部一人で経験すれば当たり前に分かることなんだけど、現場監督のほとんどはサラリーマンで分業化された一部の仕事しかやらないから、こういう勘違いが起こるのはある意味仕方がない
若い監督相手に怒鳴ってる奴はただのバカ