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道路メンテの救世主?専用車両がいらない舗装点検システムが始動

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公開日:2022.03.17
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ヒトもカネも足りない道路メンテナンス

――小さな地方自治体では、定期的に道路を点検、診断、記録等を行うことはとても大変だと思います。

松田 国土交通省道路局の「舗装点検要領」では、点検、診断、措置、記録のメンテナンスサイクルは5年に1回行い、舗装の長寿命化と予防保全につとめるよう示しています。道路というと、国道や都・県道のような大規模道路をイメージするかもしれませんが、小さい市町村道でも舗装の定期的な点検と点検結果に基づく診断・措置や、取得データの記録が必要なんです。

こうした予算の確保が難しい地方自治体でも、平成の大合併で面積全体とともに、道路の延長も伸びています。さらに、北見市と一緒にシステムの向上を図っている中でも、北見市のような雪国ですと、冬季は点検が困難になってしまう課題もあります。

北海道土木技術会舗装工研究委員会PMS小委員会が、2018年度に行った道内179市町村へのアンケート結果では、点検が不十分な原因での解決すべき課題として「予算・技術者不足」、「手法・技術的問題」、「新技術の認知度不足」が上位でした。また、こちらはやや古いデータですが、国土交通省の2016年度の調査によると、市町村の舗装点検実施状況は、「点検を実施している」が20%、「道路ストック総点検ではじめて点検を実施したがその後、未実施」が63%、「点検を実施していない」が17%でした。

つまり、地方自治体は予算、時間、人手も限られているのが実情です。それでも国からおりてきた話ですから、やる姿勢は見せなければならないところですが、一方ない袖はふれないという悩みもあります。ですから、上述のデータにあるように、多くの市町村では道路舗装の点検は不十分であることが実情です。

そこで当社としては、人を増やさなくても、普段の道路パトロールの延長で路面の平坦を計測でき、低価格で導入できる計測器とシステムとして拡販しています。

道路インフラは事前予防が重要

――特に、今は土木技術者が不在で、予算も厳しい地方自治体が増えているので、ニーズが見込まれますね。

松田 日本の道路総延長の90%以上を管理する地方自治体の現状の予算や人的資源では、持続的に路面を点検することは簡単ではありません。ですから、舗装点検の効率化と高度化を実現し、道路インフラの利用者満足度向上に寄与できると、システムの普及に期待しています。

現在も、北見市で実証実験を行い、実採用に向けて道路管理課と連携し、要望をうかがって、回収を進めている最中ですが、現時点では実採用の例がありませんので、積極的にPR活動を進めています。また、まず北見市で実用化が実現できれば、ほかの地方自治体の道路管理者にもより高い関心を持っていただけると考えています。

また、現在の路面の点検方法は、凹凸があれば車から降りて現場の写真などを撮影する必要があります。また、道路の凹凸の点検は、生活する上で安心・安全に直結し、公平な対応が求められます。

一方、「セーフロードV」では、車から降りることなく、現場の映像を取得することが可能で、スマートフォンから写真データをシステムに取り込み、データを共有化でき、業務も効率化できます。

私は道路メンテナンスを考えていく上で、どうにもならなくなってから対応するとさらに費用が掛かってしまうという課題に着目しています。その点では、事前予防の視点からも、「セーフロードV」は有効に機能すると考えています。

「セーフロードV」では、同じ地点の道路の平坦性をグラフにすることができるので、近辺の道路が一定のペースで痛んでいくこともデータの蓄積により分かります。つまり、路面の補修箇所の早期発見と、道路状況のデータベースを蓄積することで、道路の長寿命化に対応できる点が、まさに道路インフラの事前予防の一助となると考えています。

医療も事前予防が必要ですが、道路インフラも同様です。効率的なインフラの点検により、事前予防が実現できます。予測の精度をどこまで高められるか分かりませんが、一定の傾向の判断材料になると期待しています。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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