本当に仕事ができない施工管理者たちなのか?
施工管理者の8人は、私と同年代(60代)の人たちだ。いくらレベルが低いと聞いていても、どの程度の人たちなのかは自分で話してみないと分からない。
ちょうど私が着任した日、1m角程度の鉄骨柱の基礎型枠の脱型をするというので見に行ってみた。
野口 いつ打設したんですか?
施工管理者 昨日だ。
野口 テストピースの潰しの結果は届いてるんですか?
施工管理者 脱型してるんだから届いてるんでしょ?(※あやふやな返事)
野口 いつもこんな感じで型枠ばらしてるんですか?
施工管理者 いや、翌日だったり、一週間後だったり、バラバラだ!
野口 生コンの受入検査は施工管理が見てるんですか?
施工管理者 そうねぇ!
野口 テストピースって通常何本取るんですか?最低9本かと思うんですが、どうなんでしょう?
施工管理者 大体そんなもんでしょ!
こんな調子で、私が聞いたことしか返事が返って来ない。普通、生コン受入検査をやっていれば、テストピースの本数やその保管方法、潰しの結果の報告、配筋検査、型枠検査のことなど、いくらでも話すことがあるはずだ。
聞いたことにしか回答が返って来ないのは、単にその時に聞いた施工管理者の性格なのかな?とも思ったが、時間と共にそうではなく、彼らはサブコンのやってることを後追いするだけで精一杯だということが分かってきた。
側板の脱型であれば、日本でやってる限り、例え翌日でも最低の5Nは出てるハズだから、現実問題、強度的には何ら問題はないだろう。
だが、ちゃんと規則を守ろうとする意識や、施工管理をしっかりやろう!という気持ちがあれば、翌日脱型するのであれば強度計算確認が必要なのは基本中の基本で、それを大丈夫でしょう?とあやふやな返事しかできないのは、その程度の意識しかないと思われても仕方ない。
その程度の意識で仕事をしているとすれば、建築の施工管理のみならず、他業種との調整を進めながら工事を進める施工管理など到底できないだろう。
と同時に、施工管理者を管理すべき社員の態度にも問題がある。まったく、前途多難な現場だ。この現場にはまともな人間は一人もいないのかと不安になるが、雰囲気に飲み込まれることなく、今後現場がどうなっていくのか、冷静な眼でしっかり見極めていきたいと思う。
この方はどういった立場で現場に赴任されたのでしょうか…。
下手に手を出すと品質・施工の両方からスカンを食らいそうですし、静観するにしてもかなり歯痒い思いをしそうですね。