福岡市役所のまちづくりには、夢があると感じた
――就活はどうでしたか?
吉柳さん 公務員志望だったので、九州地方整備局、福岡市役所、飯塚市役所を受けました。地元福岡で就職したいと考えたからです。地元の中でも福岡市が一番勢いがあるまちなので、福岡市役所を選びました。飯塚市役所は本当の地元なので、受けました。
――福岡市役所でなにをやりたいというのは、あったのですか?
吉柳さん これというのはなかったです。ただ、ウォーターフロントとか、アイランドシティとか、まちづくりに関する魅力的な事業がいろいろあって、「夢があるなあ」と思っていました。
――井手さん、就活はどうでしたか?
井手さん もともとは公務員になるつもりはなく、ゼネコン志望でした。インターンもゼネコンしか行っていませんでした。
ところが、ある事情で、大学3年生の冬ごろから、毎月のように福岡に帰るようになりました。そうなると、全国を飛び回るゼネコンではなく、ずっと福岡にいる仕事のほうが、都合が良いと考えるようになりました。それで、急きょ福岡市役所を受けることにしました。
――福岡市役所一択だったのですか?
井手さん 福岡市役所一択でした。他が受かっても、絶対に行く気はありませんでした(笑)。
――片岡さんは、どんな感じでしたか?
片岡さん 公務員志望でした。受けたのは、一次試験だけ受けた九州地方整備局と、福岡市役所と、地元の下関市役所でした。転勤がイヤで定住したいと思っていたので、実質的に基礎自治体である市役所だけ受けたわけです。本命は下関市役所だったのですが、どちらか悩んだ結果、福岡市役所を選びました。天神ビッグバンとか、コミュニティバスとか、自分が研究していた都市計画系の事業にひかれたからです。
未経験から最短ルートで一人前の施工管理・現場監督になるために【PR】
配属先を聞いたときは「終わった」と思った(笑)

現場で打ち合わせする吉柳さん(福岡市道路下水道局提供)
――福岡市役所ではどのようなお仕事をしてきましたか?
吉柳さん 最初の配属先は、道路下水道局の中部下水道課というところで、現在も同じ職場にいます。基本的にデスクワークで、現在は、老朽化の改築工事や雨水対策に伴う側溝整備の設計、積算などの業務を主に担当しています。
――この仕事をしたいというのはありましたか?
吉柳さん 入庁する前は、住宅都市局でまちづくりの仕事をすることに憧れていました。やはり「花形の仕事」というイメージがあったので。
――最初の配属が下水道と知って、どう思いましたか?
吉柳さん 道路下水道局は「残業が多くて、忙しい」と聞いていたので、配属先を聞いたときは、「あ、終わった」と思いました(笑)。
――フタを開けてみたら?
吉柳さん 残業ばっかりでした(笑)。配属当初は、とくに分からないことばかりで日々業務に追われることがありましたが、その分しっかり勉強ができた結果、今は効率的に業務を終わらせることができていて、定時で帰ることが多いです。
――実家通いですか?
吉柳さん 最初の3年間は実家から通っていましたが、今年から福岡市内で一人暮らしを始めました。
先輩方が優しかったので、不安を感じることはなかった

職場で打ち合わせ中の井手さん(福岡市道路下水道局)
――井手さん、これまでのお仕事について、お願いします。
井手さん 最初の配属先は、道路下水道局の東部下水道課で、今も同じ職場です。仕事の内容は吉柳さんとほぼ同じで、違うのは、担当エリアが東区であることぐらいです。私は関わっていませんが、東区にはアイランドシティがあるので、そこでは下水道の新規工事をやっています。
――下水道に配属されてどうお感じになりましたか?
井手さん なにも浮かばなかったです(笑)。それでも、自分は博多区で生まれ育ったので、なじみのあるまちで仕事できるかなと期待したのですが、あまりなじみのない東区でした(笑)。ただ、自分が良く知らないまちについて、知ることができたので、それはそれで良かったとは思っています。
――仕事に慣れるのは大変ではなかったですか?
井手さん ありがたいことに、先輩方が優しかったので、不安を感じることはありませんでした。事務作業的な部分は慣れてきましたが、イレギュラーなことがあると、先輩のお世話になっています。「まだまだ自分は未熟だな」と感じているところです。
――道路下水道局は忙しいというお話がありましたが。
井手さん 私も忙しいです(笑)。今年は少しラクになりましたけど。昨年忙しい中でしっかり勉強できたことが、現在の後輩職員へのサポートにつながっています。
――テレワークはどうでした?
井手さん 入庁して2週間ちょっとで在宅勤務になりました。わたしとしては、大学の春休みが延長された感覚でした(笑)。出勤したときに、先輩などにできるだけ質問して、仕事を覚えていくということを繰り返してました。
――テレワーク用のパソコンとかは支給されたんですか?
井手さん それはなかったです。基準書などの紙を渡されて、それを読み込むよう指示されました。先輩とは、私用のSNSを通じてやりとりしていました。Zoom会議などもしたことはありません。ただ、在宅勤務は1ヶ月間だけだったので、まあ大丈夫でした。
ダムカレーの記事、消されました?
ここに紹介された方々は凄く意識が高く将来が楽しみですね。しかし、私が以前、南区の水路で見つけた在来種のミナミメダカ(福岡県のレッドデータブックに掲載)の保護について電話した際の若手の南区地域整備課の職員はあまりにも公僕としての意識に欠けていました。私がミナミメダカの生息を確認していた水路で区役所が高圧洗浄機による洗浄をやっていたので、その場から担当者になるべく配慮してほしいとお願いしたところ、彼は「うちはメダカの事なんか知ったことじゃない。こちらは地元からの苦情があったからやってるだけだ。」と語気も強くいわれましたよ。今日の社会的な課題である持続可能な社会など全く気にもしてないような捨て台詞でした。