仮設は自分の技術力の見せどころ
――工種的には、これまでいろいろ経験してきたのですか?
河野さん そうですね。道路工事、河川護岸工事、橋梁下部工事、橋梁耐震補強工事、地すべり防止工事、トンネル工事などに携わってきました。
――得意な工種はありますか?
河野さん 工種と言うか、仮設を考えるのが好きですね。たとえば、擁壁とか橋脚は図面通りつくるだけですが、任意仮設は、確固として決められたモノがないので、自分の技術力の見せどころだと思っているんです。
たとえば、仮設を最適化することで、お金を浮かして、利益を出すというようなことは、現場の技術者しかできないことです。自分が考えた仮設がうまくいくと、非常に楽しいです。
――仮設が一番うまくいった現場はありますか?
河野さん 設計がなかった工事用道路を自分で計画し施工した、都城の道路改良工事の現場ですかね。計画から施工まで発注者に提案しながらやりました。ダンプの動きの最適化も含め、かなりうまくいきました。仮設がうまくいくと、現場そのものもすべてうまくいくんです。安全も確保できますし、残業も少なくなります。
残業禁止令への対応はめちゃくちゃ大変だった
――残業禁止令への対応はどうでしたか?
河野さん 発令当初はめちゃくちゃ大変でした。仕事量は変わらないのに、時間量だけ減るわけですから。発令前は邪魔が入らない夜の時間に書類作成していたのですが、その時間がゼロになってしまいました。現場を動かしながら書類づくりをやらざるを得ません。それがめちゃくちゃ大変でした。とにかく現場が気になるからです。
そこで、測量の機器を自動追尾式にしたり、現場に遠隔カメラを付け、現場事務所から現場が見れるようにしたり、ICT機器を入れたり、ムダな時間を削るために、できる限りの工夫をやり始めました。残業禁止令に完全に対応するまでは結構な期間を要しました。
――簡単なことではないでしょうね。
河野さん 対応する上で大きかったのは、やはり社長の「やるぞ」という決意でした。周りの他社を見渡すと、いまだに長時間残業している会社はゴロゴロありますから。
時間を削るために、あれが欲しいこれが欲しいと会社にお願いしたわけですが、必要なモノは買ってくれました。これはありがたかったですね。とくにスゴいなと思ったのは、国土交通省がi-constructionの施策を打ち出す前から1台200~300万円する3Dのソフトをいち早く購入してくれたことです。
ウチの社長は昔から、新しいツールに対して、購入の判断が早いんです。写真管理なんかも、近隣の会社でどこもデジカメすら導入していないときに、最新のデジカメや、施工管理ソフトをいち早く導入していました。そういう社長なので、現場をあずかる者としては、凄くやりやすいです。
ジオラマ好き。趣味で3DCADをイジっていた
――河野さんはもともと3Dに興味があったのですか?
河野さん 興味がありました。3DCADで現場をモデリングすると、設計図面通りでは道路の幅員が確保できない箇所が判明したり、ここは擦りつかないとか、設計上の問題が一目瞭然でわかるんです。発注者との変更協議や住民説明会も、意図するところが相手に伝わりやすいので、すぐに話がつきます。
――当時、趣味的に3DCADをイジっていたということですか?
河野さん そうですね。最初は現場の模型をつくったんです。ジオラマが好きだったので(笑)。発泡スチロールなどを使って、河川の護岸工事の模型なんかをつくっていました。ただ、模型だと持ち運びが面倒なんですよね。データならパソコンに入れておけば、いちいち持ち運ばずとも、メールなどで送ることも可能です。
当時Googleが無料の3Dソフトを公開していたので、それを使ってやっていました。3Dプリンターの登場で、データを模型化するのも簡単になりました。なんとも便利な世の中になったものです。
――パソコンも良いスペックのものを買ってもらったわけですね。
河野さん ウチの会社では、現場の人間のパソコンはその人の持ち物という扱いになっています。その人が好きなパソコンを自腹で買うんです。会社からは半額分の補助が出るというカタチになります。
無人化施工は自分の集大成の仕事になった

無人化施工の様子(河野さん写真提供)
――最近実施した無人化施工は河野さんが担当したのですか?
河野さん ええ、たまたまですけど、私が担当しました。総合評価落札方式で入札があって、たまたまウチがとりました。それが無人化施工だったんです。それから施工計画書を出して、工事に入りました。
無人で遠隔操作できるバックホウなら安心みたいな考え方があります。確かにオペレーターは無人になりますが、構造物を造る前提の掘削には正確な形状で掘削する必要があるので、目印となる丁張りを設置する必要があります。そのためには人が現場に立ち入って測量をする必要があるため、本当の意味での無人施工にはなり得ません。
完全に無人化施工を実現するには、無人バックホウとICTを融合させる必要があると考え、計画書をまとめました。5ヶ月ほどかけて無人化施工をやり切りました。
――土木屋としてのチカラの見せどころという意味では、最高の現場だったのではないですか?
河野さん かなりの達成感はありましたね(笑)。土木の世界に入って30年ほど経ちますが、自分の集大成の仕事だと自負していますし自信になりました。自分が経験したことは、絶対に盗まれることはない、一生モノだということを実感しています。若い社員にはそのことを伝えようとしているところです。
だから若者来ないんですよ
現場で使うパソコンは私物?
だから補助金しかださない?
こんな発言を堂々として大丈夫ですかね?
PCだけじゃなく現場で必要なその他の物も自腹切らされる会社だって類推されますよ?
どっちにしても、前時代的な考え方ですね
だから若者来ないんですよ
私物P Cを仕事で使わせる。しかも公共事業費の投入された仕事で?情報セキュリティーって概念の無い組織であることをネットに晒すってどうなんですかね?
会社の良い情報を私物パソコンに入れて、次の転職しやすい会社だな。
この会社なら、退職して翌日から、土木の仕事ができるな。
建設業は、技術で仕事を取るより、政治や影響力のある人がいるかいないかが大きい。ランクの高い会社は少ないから、うまく振り分けられるし。
というより残業しないと仕事が終わらないが正解では
さすがです
100年以上歴史のある業種は100年前の体質だ
頭が古い馬鹿な経営陣と安全・品質・生産性の数値が低い口先だけの雑魚ばっかりな現場のせいで古い商慣習から抜け出せない企業はいくらでも有るのが実情。
まぁどっちにしろ社会に潰されてドロップアウトしたメンタル雑魚には関係が無い話なのに皮肉ってる奴はいつの時代もいるもんだからそんな奴らを気にせずに少しずつでも改善されると良いね。
こういう方がいると励みになります。
これからもお互い良くなるようにどんどんトライしていきましょう。
恐ろしすぎる…
自腹切って買ったPCって退職したらどうなるんだろう、半額しか出してもらってないし流石に自分もちよな
残業万歳な上司は、口先では格好良いことを言ってても、何らかのアクシデントでもあった際には残業で乗り切ろうとするような無能だと思う。
成果は能力×時間と言うのはある程度理解できるが、残業しないと成果を出せないというのは個人の力ではなく、会社のシステムがポンコツだからなのでは?
PCが自腹?このご時世ではありえないでしょ。
中小にありがちな典型的なブラック企業ですね
振動や騒音の苦情はわかるのですが、真夏の暑い時に職人達が現場の仮囲いの中で休憩中にアイスを食べていたら、近隣から仕事中にアイスを食べるなと苦情が来ました。
もちろん無視しましたが、騒いでいたわけでもないのに、現場の中でアイスを食べていてあなたに何の迷惑がかかるのですか。炎天下の中で体を少しでも冷やそうとするのが何がいけない。
苦情が来た際は、必ず氏名と連絡先を聞くのですが、そういう人に限って名前も言わないし連絡先も教えない。是非苦情を言った理由を聞きたいですが確認もできない。
マジでもう終わりだよこれ
こんなのが居るから、時代遅れでブラックなゾンビ企業が多いんだよ
ありえない考えですね。。。
今の未来ある若者たちが、こんな残業を推奨するようなブラックな建設業界に就職しないよう周知していこうと思いました!