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“僻地のドボク” 高知県の秘境、魚梁瀬で建設業を営む湯浅建設のリアル

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四国の犬
公開日:2023.06.27
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湯浅 雅喜さん(湯浅建設株式会社 代表取締役)

湯浅 雅喜さん(湯浅建設株式会社 代表取締役)

目次
  1. 「僻地のドボク」のリアルな姿に迫る
  2. 「山の土木」一本の会社
  3. 魚梁瀬は全国有数の豪雨地帯
  4. 明徳義塾ゴルフ部出身の社長
  5. 工事単価が低すぎて、「これでは建設業は続かんな」
  6. 意外にも20才台の社員が6人もいる
  7. ウチなら、素人でも一人前の技術者になれる
  8. 集落住民の5分の1は湯浅建設社員とその家族
  9. 遠隔臨場に頼りすぎるのは良くない。生の現場を見て判断すべき
  10. 従業員の残業はほぼほぼなし
  11. ウチで働いたら、お金はたまる一方

「僻地のドボク」のリアルな姿に迫る

高知県東部、徳島県境に近い山奥のさらに最奥部に馬路村魚梁瀬(やなせ)という集落がある。全国有数の豪雨地帯(年平均雨量4230mm)であり、県内有数の大森林地帯(樹高25m超のヤナセスギ1万7000本以上が密集)としても知られる。

そんな魚梁瀬を拠点に建設業を営む会社がある。今年で創業54年目を迎える湯浅建設株式会社だ。湯浅建設は従業員数32人の小さな会社だが、林野庁の治山林道コンクールで農林水産大臣賞を受賞するなど、その優れた施工技術には定評がある。

この湯浅建設の3代目社長である湯浅雅喜さんに取材する機会を得た。「僻地のドボク」は今どうなっているのか。リアルな姿に迫った。

「山の土木」一本の会社

湯浅社長

――湯浅建設はどのような会社ですか?

湯浅さん 祖父が昭和44年に創業した会社で、「山の土木」一本でやってきた会社です。昔は魚梁瀬に大きな営林署があって、天然林をドンドン切って、利益の出るスギやヒノキなどを伐採している時代でした。そのための林道整備などを請け負ったのが、弊社の仕事の始まりです。祖父の時代には魚梁瀬ダム建設の関連工事なんかもやっていたようですが、親父の代からは治山林道工事がメインとなり、県道や河川の災害復旧工事、改良工事なども請け負ってきました。

――魚梁瀬は林業で人が集まってできた地区で、林業関係でたくさん土木の仕事があったので、湯浅建設を創業したということですか?

湯浅さん そうですね。魚梁瀬の集落を遡ると、平家の落人がルーツになっています。林業が始まったのはたしか戦国時代ぐらいからで、魚梁瀬のスギは秀吉の大阪城にも使われたそうです。明治時代には森林鉄道がつくられ、昭和30年代ごろに最盛期を迎えました。祖父はもともと徳島の人間でしたが、魚梁瀬ダムが建設される昭和40年ごろに仕事を求めて魚梁瀬に移住し、会社を起こしたわけです。

魚梁瀬は全国有数の豪雨地帯

魚梁瀬ダム湖畔から魚梁瀬集落(中央)を遠望。取材当日ももちろん雨。

魚梁瀬ダム湖畔から魚梁瀬集落(中央)を遠望。取材当日ももちろん雨。

――ここ魚梁瀬はよく雨が降るイメージがありますが。

湯浅さん そうなんです。平成30年7月の集中豪雨のときは、降りはじめから1週間ぐらいのトータルで2000ミリほど降り、平成23年の豪雨では1日の降雨量が1000ミリ近くに達したこともあります。年間の降水量も毎年全国トップクラスです。けど、それだけ降っても、人的被害がない集落なんです。

――水はけが相当良いのでしょうか。

湯浅さん そうなんだと思います。1時間50ミリ程度の雨が降っても、沢を見ると、水は濁りもせずスゴい勢いで流れるだけですから(笑)。

明徳義塾ゴルフ部出身の社長

高校ゴルフ部時代の湯浅社長(本人提供)

高校ゴルフ部時代の湯浅社長(本人提供)

――湯浅さんご自身はどのようなキャリアを積んできたのですか?

湯浅さん 中学まで魚梁瀬にいて、高校は明徳義塾に進みました。部活はゴルフをやっていました。その後は大阪の大学に行き、経済を学びました。

――土木ではなく経済だったんですね。

湯浅さん そうなんです。どちらかと言うと、ゴルフで大学に行きましたから。そのわりには上手くないですけど(笑)。

――大学を出て、どこかで修行されたのですか?

湯浅さん いえ、大学を出てすぐに湯浅建設に入社しました。しばらく大阪でなにか仕事をしてから帰ろうかなと思ってましたが、家族に連れ戻された感じです(笑)。入社して25年ほどになります。最初の10年ほどは技術屋としていろいろな現場に出たり、子会社の生コン、産廃処理関係の仕事もしてました。その後徐々に経営のほうに携わるようになって、社長になったのは6年ほど前です。

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