記念式典では多摩美とつないで全社員に記念商品を披露
「4月13日の大東建託50周年記念式典に向けて、多摩美術大学の先生と学生、当社商品開発部社員とともにイメージを具体化していきました。そこで図面、パースや模型で終わることがあるとのご指摘を松澤先生からいただきました。当社の商品は全国どこで建築しても法的に成立する建物ですから、制約のある設計が求められます。当日の記念式典では、全グループ社員約1万8,000人が集結し、式典会場と”VISION MyTAG”の1/2スケールのプロトタイプがある多摩美術大学の成果発表展をつないで、みなさまに披露しました」(峠坂部長)

左から多摩美術大学教授・学科長の松澤穰氏と大東建託の商品開発部長の峠坂滋彦氏
学生の指導にあたった多摩美術大学教授・学科長の松澤穰氏は、「大学としても学生に対して建築に関係する商品開発の機会を与えたいと考えていました。社会のリアリティをデザイン教育に持ち込むために、こうしたリアルなクライアントを前にしたデザイン提案の機会は欠かせない。今回、産学共同で大東建託創業50周年という素晴らしい節目で、記念商品の開発の機会を与えられることは学生にとっても大きな学びになり、感謝しております。学科は違いますが、同世代の集まりはとても貴重で、アイデアの多様性が生まれた。学生の提案が商品化されることは、ユーザーからの声を受け取ることにも繋がります。これは大学講義では得られない貴重な経験です」と語った。

記者発表会では、今回のプロジェクトで作品提案を行った4チームの学生も参加、それぞれの提案内容を説明した。
前例主義を打破し、多様な価値観を採り入れ続ける
「大東建託の商品開発の歴史は32年あるが、前例を当てはめていくと、ある程度、結果が見えやすくなる。今回、Z世代の視点を持ったうえでの商品開発をした意義は大きい。この商品を世に出すことについては、前例がないということで反対する動きもあると一時は思いました。しかし、大きな反対もなく、全社的にやってみましょうと賛意を得られたことは商品開発部だけではなく、会社を変えるキッカケになったのではないでしょうか」(峠坂部長)
大東建託は、安心して楽しく暮らせる住環境の提供を目指すため、「環境」「防災」「ライフスタイル」の3つのコンセプトを軸に、賃貸住宅ブランド「DK SELECT」の商品開発を推進している。このライフスタイルの部分ではZ世代に限らず、多種多様な価値観を入れた商品づくりを実施している。

「VISION MyTAG」の概要
「ターゲットについてはお一人さまの社会人、小さなお子さんがいるカップル。場合によって40代で地方に赴任された方も入る。そのため、全住戸にテレワークスペースを設置しています」(峠坂部長)
全商品ZEH化に向けた環境への取組みや、災害に強い防災配慮型の商品など、建てることで地域社会に貢献するとともに、市場ニーズの変化にも柔軟に対応するための技術開発に取り組む。今回販売する新商品「VISION MyTAG」も、環境配慮住宅の普及、コミュニティ防災、新たなライフスタイルに挑戦した賃貸住宅となっている。