新設桁の架設、構造物同士の接合というヤマ場へ

新設桁の架設が完了した(その1)区間の様子
RC、鋼製橋脚の拡幅については、2023年2月までに全基分の工事が完了している。拡幅部の桁についても、(その1)区間の既設桁の撤去と新設桁の架設が2023年4月までに完了している。進捗率で言えば、約70%(2023年6月時点)というところまできている。今後は、(その2)区間の既設桁の撤去、新設桁の架設がメインの作業になってくる。
今後の工事の「ヤマ場」について、それぞれこう話す。
「この現場は、作業時間帯や極めて狭い作業ヤードなどの制約が多いので、人を増やして一気に作業を進めるということができません。そういう意味では工期的にはタイトです。今のところ順調に進めていますが、工事のヤマ場は桁の撤去と架設です。(その1)区間は無事に架設を終え、ひとつのヤマ場を超えましたが、(その2)区間はこれからヤマ場を迎えます」(杉村さん)
「杉村さんがおっしゃるように、既設桁の撤去、新設桁の架設は一つのヤマ場ですが、それ以外にも、今後既設構造物と新設構造物を一体化させる重要な工程が控えています。新設桁は、今後既設構造物と接合しますが、鋼桁・床版・舗装とそれぞれに微調整が必要で、難しい工程なので、ここも一つのヤマ場になってくると思います」(井爪さん)
桁の撤去新設と構造物同士の接合については、(その1)区間は今年の夏から秋ごろ、(その2)区間は来年行う予定だそうだ。これらを越えれば、工事完成はもう目の前だ。
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珍しい現場に携われるのは、有益で楽しいこと

作業ヤードのすぐ隣を車両が結構なスピードで走り抜ける。反対側にはビルが立ち並んでいる。メンタル的にキツそうだ。
さきにも触れたが、騒音問題解消のために、これだけの規模の修繕工事を実施するのは、かなりマレなことだ。こういう特殊な現場に携わることの意味合いについてこう話す。
「都市部でこれだけの大きさの既設構造物を撤去することは、かなり珍しいことだと思います。さらに、限られた狭い場所で交通影響や騒音に十分配慮しながらも、確実に工事を進めなければなりません。非常に困難な現場ですが、そこでの経験は、有益なことですし、とても良い経験をさせていただいています。この経験や培った技術は、これからの大規模更新時代を見据え、若い社員にもしっかり伝えていきたいと思っています」(杉村さん)
「既設構造物を流用しながら新たな構造物をつくるという工事の場合、当初予想した形状ではなかったということで、『現場で合わせる』ということがけっこうあります。この点、新設に比べ、既設の構造物を触るのは難しいと感じています。今後は更新・修繕の工事が一つの主流になってくることを考えれば、このタイミングでこの工事に携われたのは、この現場にかかわる社員などにとっては、良い経験になっていると思っています」(井爪さん)
こんな場所で仕事をするのは本当にプレッシャーが大きい
取材当日は、あいにくの雨だったが、桁下や桁中のほか、桁上まで現場を一通り見ることができた。その際いちいち痛感したのは、作業ヤードと通行車両との近さだ。下道は、柵の向こうに信号待ち車両が連なっているし、上は上で、コンクリートブロックの向こう側をトラックがバンバン通過している。
案内してもらった井爪さんも「こんな場所で仕事をしているのは本当はプレッシャーが大きいです」とコボしていたが、それを聞いて、「これがまさに土木の現場なんだな」と改めて認識させられた。
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