市町村に説明して回るキャラバンを実施中
――働き方改革への対応はいかがですか。
奥田さん 直轄工事に関しては順調に対応しつつあると認識しています。
――自治体の対応が気になるところですが。
奥田さん そうですね。われわれとしては発注者協議会を通じて、粘り強く働きかけているところです。あとはそれぞれの首長の認識も重要になってくるので、各府県と連携して市町村を説明して回るキャラバンを昨年度から実施しています。今年度からは市町村長に直接会って説明することをやっていきます。
――ICT施工や働き方改革については、自治体の中でも温度差がありますよね。
奥田さん ありますね。府県や政令市はある程度やっていただいていると認識しています。ただ、一般の市町村に関してはかなり対応が遅れています。「安くつくってもらってなにが悪い」という風潮が残っています。その辺も含め、首長さんにしっかり説明していかないと、なかなか状況は変わらないと思っているところです。
――キャラバンはどのクラスの職員が回るのですか。
奥田さん いわゆる官クラスです。私は「事務所長も回るべきだ」と言っています。「要望を聞くだけでなく、ウチの要望も聞いてもらえ」と言っています。ウチとしても汗をかいて示していかないといけませんので。
係長クラスの職員が全然いない
――近畿地方整備局職員の働き方改革はどうですか。
奥田さん 多様な人材に来ていただきたいと考えているので、在宅勤務を含め多様な働き方ができる職場づくり、スマートな職場づくりをコンセプトに掲げ、いろいろ取り組んでいるところです。職員支給のパソコンも新しくなるので、局内外のペーパーレス化や資料データなどのクラウド管理なんかも進めていく考えです。
――職員のリクルーティングはどうなっていますか。
奥田さん ここ3年ぐらいは、土木以外の学科の学生さん、農学とか化学といった学生さんにも積極的にリクルーティングをかけているところです。こういうアプローチは今後も継続していこうと考えています。大学などの土木の先生との距離を縮める必要もあると思っています。
あとは、中途採用です。一時期職員の採用数が減った時代があったので、特定の世代だけ職員がスゴく少ないんです。組織としてはキビしい状況です。具体的に言うと、係長クラスが全然足りていません。そのあたりを中心に中途採用を頑張っています。課長のすぐ下が係員という職場も少なくないので、今の管理職クラスは相当キツいと思います。中途採用職員の離職率は新採に比べてまだ高いので、入省前後の認識のミスマッチ解消を心掛けていきたいと思います。
一生をかけて働ける職場
――国土交通省の仕事のやりがいはなんですか。
奥田さん やはり世の中の役に立つ仕事に携われることです。私自身そういう思いを持って仕事をしてきました。世の中が良くなれば、それがちょっとしたことだったとしても、率直にうれしいです。自分一人で世の中を良くするという話ではありません。そういう思いを口にしながら、いろいろな人と一緒にやっていってこそ、世の中は良くなるものだと思っています。
最期死ぬ時に、「ああ、やれることはできたなー、少しは世の中の役に立ったかな」と思いたいですね。自分は騙せないのでハードルは高いですけど、自分の一生をかけて働ける職場だと思っています。
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