猛暑日を作業不能日にカウントするようにしたのは、私
見坂さん 直轄工事については、週休2日を標準として実施しているところです。前職の技術調査課長のときには、「週休2日を工期にしっかり反映させなければならない」ということで取り組みました。その結果、今年度から週休2日を前提とした工期設定になりました。あとは、猛暑日を考慮した工期設定も取り入れました。
これまでにも、雨や雪が降ったときは作業不能日として、その分工期を長くするということを実施してきました。雨や雪が降りそうな日数をあらかじめ工期に組み込んでおくわけです。この作業不能日に、今年度から猛暑日を加えました。私は「猛暑日は基本的に働くべきではない」と考えています。具体的に言うと、環境省が「暑さ指数(WBGT)」というものを出していますが、この指数が31を超えた場合は働くべきではないということです。
年間に何日猛暑日になるかをエリアごとに算定して、その日数を工期に反映させ、工期を長くするということです。今年度から直轄工事で実施しています。この取り組みに対しては、建設業界の方々から感謝していただいています。
近畿地方整備局独自の取り組みとしては、令和5年4月以降、毎月第2土曜日の建設現場一斉閉所を実施しています。この取り組みは、近畿地方整備局だけでなく、管内の府県、政令市も含めて実施しているところです。この取り組みが他の発注者にも広がっていくことを期待しています。
DX推進により、希望が持てる建設業を実現する
見坂さん 「希望が持てる」という観点では、DXがあります。i-Constructionの活用による無人化施工、自動化施工を実施するということです。近畿地方整備局では、平成23年に深層崩壊した奈良県五條市の赤谷地区で災害復旧工事の無人化施工を実施済みです。この事例は全国的に見ても先進的な取り組みだと思っています。
また、奈良や和歌山の山間部でドローン自立飛行の実証実験なども行っています。調査用と無線中継用のドローン2機併用ということで、なかなかおもしろいことをやっていると思っています。あとは、人材育成ということで、ICT施工や無人化施工などについて学ぶDX研修も実施しています。
ノウハウを駆使し、日本館建築工事で大手ゼネコンと随意契約を締結
――大阪・関西万博に向けた近畿地方整備局の取り組みについて、教えてください。
見坂さん 海外パビリオンについては遅れが出ていますが、インフラに関しては順調に整備が進んでいます。開催期間中、多くの人々をいかにスムーズに万博会場に運ぶかが非常に重要であり、来場者の輸送計画をしっかりと構築しておくことが重要だと考えています。
万博アクセスについては、大阪市が橋梁の拡幅工事、大阪メトロが地下鉄の延伸工事をそれぞれ進めているところです。また、阪神高速が淀川左岸線事業として現在建設を進めている工事中の道路を一部暫定供用することで、新大阪駅や大阪駅から万博会場までシャトルバスを運行する予定です。
日本館の発注については、7月中旬に大手ゼネコンと随意契約を結ぶことができました。海外パビリオンの発注は万博協会が実施していますが、日本館については、経済産業省から委託され、国土交通省が発注しています。国土交通省が持つノウハウを駆使した結果、無事契約にこぎつけることができました。工期的にはキビしいですが、開催に間に合うようしっかり工事を進めていきたいと思っています。
万博関連工事の中で、近畿地方整備局が直接関わっているのは、日本館だけですが、日本館以外で関連する工事としては、淀川大堰閘門の整備事業があります。閘門とは、水位の異なる水面を船が行き来できるようにする施設で、万博開催期間ごろに完成する見込みです。万博に来た海外のお客さんなどに船観光を楽しんでいただくほか、万博を契機として、淀川舟運の復活を軸にした川沿いのにぎわい創出、新たなまちづくりにつなげていきたいと考えています。
関西経済界の近畿地整に対する期待は非常に大きい
――見坂さんの目から見て、関東地方整備局と近畿地方整備局との違いはどう映っていますか?
見坂さん 関東地方整備局は一番大きな地方整備局であり、インフラ整備も一番進んでいます。とくに首都圏はスゴく進んでいます。それに比べると、近畿地方整備局はミッシングリンクも多く、インフラ整備は遅れています。
その一方で、地元の経済界の地方整備局に対する期待という意味では、近畿地方整備局のほうがはるかに大きいという印象を持っています。と言うのも、関東の経済界、首都圏の経済界は、さいたま新都心の関東地方整備局ではなく、霞ヶ関の本省のほうを向いていると感じます。その点、関西の経済界は近畿地方整備局に対して、大きな期待をかけていただいていると、着任後の挨拶回りなどで実感しました。
たとえば、先日は地元経済界のトップの方や、私鉄大手のトップの方々と、それぞれお話をしました。関西経済界の主要メンバーの方々が近畿地方整備局長と話をしたいとお考えになっているわけです。関東だとそのようなことはまずありません。私は近畿地方整備局に対する期待の表れだと思っています。それをハダで感じましたね。近畿地方整備局と関東地方整備局の一番の違いはそこだと感じています。
また、経済界だけでなく、市町村長から直接陳情を受ける機会も非常に多いですね。市町村長からの期待もヒシヒシと感じているところです。
私はトラブル処理が得意
――局長というポストはどうですか?
見坂さん これまで経験したポストとはずいぶん違います。私は、局長というポストに就いたからには、「細かいことはあまり言うべきではない」と考えています。基本的に各部に任せることにしています。これは私のポリシーです。局長は、部レベルでは判断できないことだけ判断する、ということです。
私はトラブル処理が得意なので、職員には「トラブったときだけ相談に来たらいいよ」と言っています(笑)。とは言え、たとえば、経済界の方々や首長とお話をして、汲み取れていないニーズがあれば、それを汲み取って、部下に伝達する、といった仕事はやりますけどね。
でも、近畿地方整備局には優秀な職員が多いので、基本的には、職員を信頼して日常の仕事はできるだけ職員の自主性にお任せしようと思っています(笑)。
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トラブったわ、って局長のところに行くのもそれなりに勇気と準備がいるけどな
あんたらが雇ってくる委託監督、、、
あいつらの横着な態度をなんとかしろよ
あいつらがいる時点で魅力もクソもない