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総フォロワー数4万6,000人のSNS中心の採用戦略で、月間120人の求人応募が集まるように

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公開日:2024.05.02
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「背中を見て覚えろ」ではなく「動画を観て覚えろ」

――市場の拡大に比例して、若手職人の育成・採用は難しくなっていますね。

稲場社長 昔の職人の育成方法と言えば「オレの背中を見て覚えろ」でしたが、時代に合っていません。ただ、今の若手は調べる能力は高い。職人を即戦力として育成するには、動画などのコンテンツも活用したマニュアルの整備は必須です。そこで当社では社員研修に活用できるポータルサイトを開設して、動画による技能解説を24時間、誰でも閲覧できるようなシステムを構築しました。これをもとに、まずは先輩が後輩に対して実際にやり方を見せてあげて、次からは動画を参考に本人にやらせてみせます。海軍軍人の山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という部下育成の名言を残していますが、当社ではこの言葉をもとに若手の指導を心がけています。

そもそも、未経験の社員にイチから教えるのは工数も掛かりますから、動画でワザを共有したほうが先輩も楽ができますし、新しく教えることがでてきた際も新たな動画を撮ってアップロードすればよいだけになります。後輩たちも、動画のほうがいつでも予習や復習に活用することができますから、聞くのではなく「動画を観て覚えろ」と指導しています。

育成では動画を活用し、頻繁にアップデート

育成では動画を活用し、頻繁にアップデート

――動画などで技能を見える化したほうが、成長も早くなりそうですね。

稲場社長 当社では3期目が終わり、これから4期目を迎えますが、会社もようやくカタチになりつつあります。4月からは初めての新卒社員も入社しました。彼らからは「入社するまでに、何をすればいいですか?」と質問されるのですが、新卒者は社会経験もありませんから、すべてをイチから教えなければなりません。ポータルサイトには、名刺の渡し方から挨拶方法、お客様の対応からはじまり、機材管理や作業工程、機械の操作方法など細かく分類し、入社前の段階から学んでいただけるような内容になっています。

ただ、当然ながらすべて動画に任せて放任するわけではないので、先輩からすれば新入社員が入社する度に「また新人の面倒をみなくてはいけないのか」と負担に感じる部分もあります。ですので、入社後3か月間は教育担当をしてもらうかわりに、担当している新人が案件を獲得した場合には、1件につき5万円のボーナスを指導者にも支給しています。いわば新人教育のインセンティブです。仮に新人が10件の案件を獲得したら、担当者は教育をしただけで50万円のボーナスが入りますから、教えがいも出てきます。また、先輩のボーナスに反映されるとなると、新人も責任感を持って頑張ろうとやる気になります。

――教育体制の整備にかなりの手間をかけていますね。

稲場社長 昔ながらの指導では、優秀な人材ほどすぐに退職してしまいます。職人の世界はよく3Kといわれますが、もうそんな時代ではありません。当社でも仕事が早く終われば早く帰るよう指導していますが、働き方も教育手法も時代にあわせて柔軟に変えていくことが大切です。いまは世の中にどんな会社があるかをいくらでも調べることができますから。

SNSで知名度が格段にアップ

――担い手の“育成”の話を伺いましたが、“採用”についてはいかがでしょうか。

稲場社長 当社の採用活動の武器となっているのが、TikTokとInstagramです。若者は寝る前にSNSを、その中でもとくにTikTokをよく見ています。毎日、投稿していけば、いずれオススメとして当社の動画が出てくるようになりますので、そこでまずはトラーチを認知してもらい、ここで興味を持った方をInstagramへと送客します。InstagramにはTikTokよりも詳細に企業理念やミッションを明記していて、ここに共感いただいた方から問い合わせをいただくような流れになっています。事前にミッションに共感していただいた方のほうが私たちとしても面接しやすいですし、前向きな方も多いので、採用も効率的になります。今では毎月120件の応募があります。

――SNSは自社で運用しているのですか?

稲場社長 そうですね。現在は自社でのノウハウを生かして、他社向けにSNSコンサルも展開しています。他社の中には「オレらジジイやし、SNSのやり方なんて分からんわ」と嘆かれる人も多いのですが、台本作成から撮影まですべて請け負っています。今は人材獲得のノウハウはとても貴重ですから、引き合いも多くなっています。

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⚡️稲場双子社長⚡️日本一のセールスプロ集団(@inaba_twins)がシェアした投稿

――それにしても、毎月120件の応募があるというのはすごいことですね。

稲場社長 当社のSNSでは双子の経営者であることをアピールしているのですが、今や総フォロワー数は4万6,000人を超え、ありがたいことにトラーチや稲場兄弟のファンになってくださる方も増えてきました。さらにファンの皆さまに拡散していただけるので、相乗効果が目に見えるように生まれています。

無料整体、骨格矯正などの福利厚生制度

――無料整体、骨格矯正などの福利厚生制度を教えてください。

稲場社長 当社では柔道整復師や管理栄養士を雇用し、整体・骨格矯正やトレーニングなどを提供する「パーソナルトラーチ」というウェルビーイングのための専門施設を運営しているのですが、当社の社員はここで無料で身体のケアを受けられます。屋根は勾配があり、重たいものを持ちながら中腰で作業しますから、職人は足腰を痛める方も多いんです。建設会社こそ健康経営という観点が大切なので、身体のケアには力を入れています。

「無料整体、骨格矯正で足腰も楽になった」と職人の声のあるパーソナルトラーチ

「無料整体、骨格矯正で足腰も楽になった」と職人の声のあるパーソナルトラーチ

また、職人は太りやすい傾向にあり、屋根から墜落したら死亡事故にもつながる危険性があるので、体形維持も大切です。柔道整復師の方は高校時代にダンス世界一を受賞したこともありヨガも教えることができますし、管理栄養士の方は職人の食事の管理もしています。たとえば、職人が今日食べた食事内容をスマホで写真を撮って送ると、食事指導をしてくれます。

このほかにも、パーソナルトラーチには筋トレ器具も設置しており、自社監修のプロテインもつくって社員に配っています。とくに新卒者は身体ができていませんが、仕事ではパネルを運んだりしますから、身体づくりはとても重要です。本来はジムにお金を払って通っていた社員も多かったので、ここが無料になることは魅力に感じてもらっています。

ラジオ番組などで太陽光の詐欺撲滅を訴える

――人材の話題から大きく変わりますが、詐欺撲滅運動を展開されているとか。

稲場社長 「トラーチのめちゃイケナイト♪」というラジオ番組を持っています。番組を始めたのは、飛び込み営業で私の母が太陽光の詐欺に遭ったことがきっかけです。知識のない方につけ込む太陽光関連の悪徳業者は後を絶ちません。そこでラジオ番組やイオンモールなど人が集まる場所で発信し、詐欺的業者の事例を訴えています。

よくある詐欺的な事例を紹介すると、「屋根のすべての部分に太陽光パネルを載せましょう」とセールスする人は誠実さに欠けます。屋根の北面は発電しません。また、70~80歳の方に太陽光を売りつけるのもひどい行為です。太陽光発電で元を取るには一定の年数が必要ですから、もし高齢者からご相談を受けた場合、「元が取れませんよ」と申し上げます。

ほかにも太陽光パネルをつくるには立面図と平面図が必要です。それを客先からもらわずに勝手にシミュレーションして設置するケースもあり、屋根からパネルがはみ出している事例もあるんです。このケースはメーカー保証の適用外ですから、壊れた時にはメーカーは面倒を見てくれません。屋根にも登り、屋根の状況を確認して立面図・平面図をもとにつくる業者でなければ信じてはいけません。

だからこそ、当社は工務店とのアライアンスを組んでいることが強みです。提携の工務店は以前、太陽光発電を顧客に提案されていませんでしたが、当社と組むことで太陽光発電について最初から提案できる仕組みを目指されています。一日も早く、太陽光発電業界が健全化され、悪徳業者がいなくなることを願っています。

トラーチのスタッフが運営・出演するラジオ番組「トラーチのめちゃイケナイト♪」

トラーチのスタッフが運営・出演するラジオ番組「トラーチのめちゃイケナイト♪」

――4期目を迎えるにあたって、どのような会社を目指していきますか?

稲場社長 関西の太陽光、蓄電池、電気自動車の工事であれば、「トラーチがナンバー1」と言われたいですね。工務店サイドは、太陽光発電を販売した事例はあっても、蓄電池は未経験な会社が多い。ですので、これからは工務店との業務提携を増やしていきたいと考えています。そのために「トラーチ倶楽部」というコンサルを創設し、工務店との勉強会を重ねて、現在8社と提携しています。提携先は関西以外の工務店、リフォーム業者が対象です。現在は8社に留まっていますが、関西を除いた全国を対象に20~30社へと拡大していくつもりです。

トラーチ倶楽部一期生の受講生が卒業

トラーチ倶楽部一期生の受講生が卒業

関西では直営店が営業と施工で成長するとともに工務店ともアライアンスを組み、関西以外ではトラーチ倶楽部に参加される企業と共に頑張っていく体制を築いていく方針です。商流にトラーチを通すことで工務店やリフォーム工事会社も儲かるようになれば、不当な金額で販売することもなくなります。当社の理念に共感していただく会社が増えるほど、詐欺撲滅活動にもつながると考えています。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2024/05/03 13:09

    素晴らしい。これぞ令和の建設業だと思います。

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