「これが公共事業だ」を感じられた職場
――最初の配属先はどちらでしたか?
北本さん 九州地方整備局筑後川河川事務所の九州北部豪雨復興出張所でした。福岡県朝倉市にあった出張所です。平成29年九州北部豪雨の復旧工事を担当する出張所で、砂防の調査設計チームの一員として入りました。
――職場の印象はどうでしたか?
北本さん 今振り返ってみると、地域の住民の方々と直接やりとりすることもありましたし、非常に現場に近い仕事だったなと思います。被災した方々の生活や気持ちといったことを感じながら、日々仕事をしていました。霞ヶ関にいると、なかなか感じにくい部分があるのですが、「これが公共事業だ」ということを強く感じられた職場でしたね。そういう意味では、やりがいを感じましたし、楽しかったです。
――残業はどうでしたか?
北本さん 残業はけっこうありました。短期間で復旧しなければならないという社会的な要請がありますし、復旧工事中に大雨が降って、つくったものが被災したということもありました。ドタバタの対応も多く、けっこう忙しかったです。職場のみんなが一つになって、ワンチームで頑張るという雰囲気が支えになっていました。
――休みはなにをしていましたか?
北本さん ゴルフをしていましたね。配属されてから始めたのですが、かなりのめりこみました(笑)。大学でバトミントンをやっていたので、地元のバトミントンサークルに入って、活動もしていました。あとは、宿舎の同僚と近場や福岡天神などで遊んだりしていました。
休日は1人アウトドアを満喫

センター前の鳴子谷川砂防堰堤の前でにっこりほほえむ北本さん(写真本人提供)
――つぎはどちらに?
北本さん 近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所の出先で、大規模土砂災害対策技術センターというところに行きました。和歌山県那智勝浦町にあります。大規模な土砂災害が起きるメカニズムや初動対応、ドローンを使った災害調査などについて、研究開発するところで、それらに関連する調査や実証実験などをしていました。
――職場環境はどうでしたか?
北本さん 常駐のセンター員は私と先輩の2人だけだったので、かなり自由に研究活動することができました。サビしい感じはありましたけど(笑)。
――とくに印象に残っている研究開発はありますか?
北本さん ドローンを使った災害調査は、とくにチカラを入れて研究しました。国土交通省内部の研究発表会で発表して、けっこう良い評価をしていただきました。ざっくり言うと、大規模な土砂災害が発生した際、緊急調査を行うのですが、昔からヘリコプターを飛ばして調査していました。これがけっこう大変なので、これをドローンで代替して調査しようという研究です。
――休みはなにをして過ごしていましたか?
北本さん 一緒にゴルフをやる人があんまりいなかったので、趣味を釣りとキャンプに切り替えました。あとは、山登りです。紀伊半島で周りは山だらけなので。1人アウトドアを満喫していました(笑)。
メールめっちゃ来るけど、なにこれ?
――そのあとはどちらに?
北本さん 本省砂防部の保全課です。砂防事業調整係長を1年間やりました。保全課は全国の砂防事業を所管する課で、私は主に砂防事業全体の予算管理、予算配分を担当していました。
――職場の印象はどうですか?
北本さん のほほんとした前の職場と比べると、物事が進むスピードが早かったので、そこに慣れるのにちょっと手間取りました。メールがめっちゃ来るし、関わる人もめっちゃ多いし、周りからスゴく急がされ「なにこれ?」という気持ちも感じつつ、ドタバタしてやっていました。今もドタバタしているので、本省は、常にドタバタしながらも前に進めるように仕事する職場だと認識しています(笑)。
――それが前の職場ということですか?
北本さん そうです。今は砂防計画課の企画係長をやっています。砂防計画課は、砂防の法律や制度、政策などを所管する課で、私は砂防部全体の窓口業務、予算要求のとりまとめや制度設計、リクルート対応などを担当しています。
砂防職職員同士のキズナ

和気藹々とした本省砂防部の職場(写真本人提供)
――砂防職の魅力について、どうお感じになっていますか?
北本さん 1つは、別ワクで入省しているので、砂防職職員同士のキズナが強いことです。なので、砂防部の職場の雰囲気は、仲間意識が強く、和気藹々としていて、上司などとのコミュニケーションもとりやすいので、楽しいです。
もう1つは、地域によっては、土砂災害だけでなく、火山や雪崩の対応も砂防事業の所管に入っていることです。地域によって、全然違った事業を経験することができます。
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