工事現場での重要な業務の1つに写真撮影がある。工事写真の撮影は、工事の進捗が見えない部分の証拠として貴重な資料となるため、欠かせない業務だ。
写真撮影は単純な作業に見えて実は非常に奥が深い。今回は、新入社員に向けて「工事写真の撮影のポイント」を解説する。
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工事写真の撮影のポイント
フォーカスと構図
- 主要な対象物にピントを合わせる:写真の対象物が何かを明確にし、その部分にしっかりとピントを合わせる。例えば、配筋の状態を記録する場合、鉄筋の交点や接続部分にフォーカスして、図面通りに背筋がされているかわかるように撮影する。
全体と詳細
- 全体像を捉えた写真:工事の全体的な状況を示すために、広角で現場全体を撮影する。例えば、建設現場の全景や工事範囲全体を写す写真など。その際に重要なのは、完成後と比較できるように、撮影箇所を固定しておくことが大切。
- 重要な部分の詳細写真:重要な部分や特定の作業箇所(例えば配筋の結束部分やコンクリートの打設状態など)はクローズアップして撮影する。コンクリートの打設時だけでも撮影しなければならないポイントは多々あるため、温度管理をしている写真、バイブレーターの挿入時の写真、挿入ピッチの写真等、ポイントを押さえて、しっかりと管理している証拠を残そうというマインドで撮影しよう。
角度
- 複数の角度から撮影:同じ対象物でも、複数の角度から撮影することで、立体的な情報を提供できる。例えば、同じ建物の基礎部分を正面から、斜めから、そして真上から撮影することでそれぞれの寸法や形が把握しやすくなる。特に出来形管理等の際には、複数の角度から写真を撮影するようにしよう。
照明
- 自然光を利用:可能な限り自然光が豊富な時間帯に撮影する。特に屋外では、太陽光が最適な光源となるため、逆光に注意しつつ撮影をしよう。
- フラッシュの使用:暗い場所や影が多い場所では、フラッシュを使用して撮影する。フラッシュの反射に注意し、必要に応じてディフューザーを使用できるよう用意しておくと安心だ。
障害物
- 自分の影:撮影者自身の影が写真に写り込まないように注意しよう。撮影角度やポジションを工夫して、影を避けるようにする。
- 他の障害物の影:機材や作業員の影も写真に影響を与えることがあるので、これらも避けるように工夫する。