構造強度、加工、現場施工に影響する寸法
建具によっては重さが30kg以上ある物もあります。それを3か所の丁番で支えるので、開閉がスムーズにいくのか、垂れ下がらないか検討する必要があります。出入り口の三方枠がバラバラに壊れては信用にかかわり、鉄と違い溶接というわけにもいきません。ビスと金物、接着剤で固定するしかありません。
基本的には、強固に固定する頑丈な寸法、見た目も安心感を与える寸法が望ましいわけですが、設計によっては見付け寸法を細く見せ、壁内部に隠れる所は厚くする場合もあります。
枠の見付け寸法は普通25㎜ですが、これが30~40㎜となると縦枠と上枠との取付方法で問題が出てきます。
45度の留方だと乾燥収縮で隙間がでてきて、角を出す方がいいと言うことになり、そうなると同じ見込み寸法というわけにはいきません。上枠を縦枠の面内に収める寸法にしなければならない。恥をかきますからね。
では、その角は上枠の天端からどれだけ出すか、出さないか、ということで、検討が始まります。出さない方が現場での壁仕上がりには良い方法です。
そして加工工場での機械にも限度というものがあります。設計の先生によっては0.5㎜なんていう寸法にこだわる先生がいますが、機械の加工歯に0.5なんて物はなく、1㎜単位です。仕事を知らないと言うしかない。0.何㎜は許容寸法。現在は空調設備があり、部屋は乾燥気味なので、それも考慮した施工でないと今後のメンテナンス等に影響を与えます。
予算に影響する寸法
見付け寸法25㎜と言いますが、原材料の寸法は28㎜で、3㎜ほど荒削り、中仕上げ、仕上げで25㎜まで持っていきます。荒削りは加工機械の歯で削り、中仕上げ、仕上げは手作業、化粧単板貼の場合は、機械やすりで中仕上げを行います。
これが26~28㎜となると、原材料の寸法が無い場合があるので、その時は材料を張り合わせて加工することになりますが、無駄が多く出る寸法、原価が上がるので避けたい寸法です。
長さについても、既製品は4mが一番長い寸法ですが、両端は割れや反りが出ていて使えないため、その部分を切断する事を考えた長さ寸法で加工しなければなりません。4mの材料は3.9mの材料、3m以上の材料は4mの材料を使用することになります。
失礼ながら、仕事を知らない、あるいは若い設計の先生はこの寸法にこだわる傾向があります。コストの事も考えていただかないと、一流の設計者とはいえません。
原木の確保から始める場合は、製材時点でいかようにもできるから問題ありませんが、普通は製材所や木材会社の既製品を使うので、そこから削り寸法、加工寸法を考慮した設計をお願いしたいものです。
こういう内容だと、てきめんにコメントが無いですね笑
最近の若手の管理者は見出し寸法の意味もわからない様で、知り合いの大工さんの現場では、枠幅が合わない建材が3回届いたと仰っていました。
面打ちもわからず、長尺の建材が3本とか、窓枠じゃなかったらどうするんだ、と。
30代の監督さんだそうです。