「施工図チェック」を上達させる方法
施工図チェックという仕事は慣れてくると、寸法や符号をチェックするだけでは、つまらないものです。今回の中級編では、一歩進んで「施工しやすい施工図」について考えましょう。
まだ建築施工管理技士としての経験が浅い技術者だと、「施工しやすさを施工図でどう表現するの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、施工図のチェック方法ひとつで、施工性は大きく変わります。
施工しやすい「施工図」とは?
たとえば、躯体に金属の部材を取り付ける溶接作業ひとつにしても、平らな床に座って下向きの溶接を行う「納まり」の場合と、覗き込んでも溶接箇所が見えるか見えないかという手探り状態で溶接を行う「納まり」の場合とでは、どちらが施工しやすいでしょうか?
答えは聞くまでもなく、前者ですよね。しかし、ここで本当に大切なことは、作業員さんがやりやすい納まりにすることが大切だ、ということではありません。施工しやすい納まりの施工図を検討して、作業員さんが作業姿勢の良い状態で作業を行うことは、すなわち「良い品質」の建物をお客さんに提供できるということです。
施工しやすい施工図は最終的に、お客さんに「良い品質」の建物を提供することになる。そういう点で、施工しやすい施工図は、非常に大切であると意識すべきです。私たち施工者はお客さんのお金で施工管理という仕事をさせてもらっています。