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「土木と建築の境目はなくなる」土木学会と日本建築学会が脱炭素実現へシンポ開催

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公開日:2026.01.05
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⼟⽊・建築構造物の構造設計の「共通原則」作成へ

構造設計基本WGについては、横田弘氏(主査、北海道大学名誉教授)が報告した。同WGは、構造物の形態、形式、材料などによらない共通的な構造設計の規範の作成を目的に活動しており、現在、「(仮称)⼟⽊・建築構造物の構造設計の共通原則」の作成を目指している。

まず、土木学会は従来から各委員会で標準示方書を作成してきたが、同示方書の共通化を図る目的で、示方書連絡会議を設置し、その成果として、2024年3月に「2023年制定 ⼟⽊構造物共通示方書」を発刊した。このほか、将来的な構造設計の予想も加味して、共通原則の原案を作成。この原案をベースに日本建築学会が検討し,原案の修正などを提案する。その後、同WGで議論を深めた後に成案とする方針だ。

「将来的には,JISなどの国家規格としての位置づけを目指していきたい。引き続き議論を継続し、⼟⽊と建築の共通点と異なる点を双方が十分理解して共通化の可能性を探り、具体的な文案作成を本格的に進める」(横田主査)

構造設計基本WGの横田弘主査(北海道大学名誉教授)

構造設計基本WGの横田弘主査(北海道大学名誉教授)

災害連携WGについては、小野祐輔氏(主査、鳥取大学教授)が報告を行った。同WGの活動として、第1期では「土砂・水害も含む建物被災調査のマニュアル」を作成し、日本建築学会のHP上に公開した。2023年度から活動は第2期に入り、日本から海外、海外から日本への調査対応・調整、国際貢献の推進、複合災害への対応、能登半島地震被災地での支援などを展開中だ。

活動のポイントは、連携の具体的内容や連携を実現する仕組みの検討、災害発生直後の調査での連携、復旧・復興支援の連携、突発的な自然災害発生への備え、そして複合災害への対応にある。課題として、両学会以外の学会との連携の必要性も示唆された。また、最近のトピックスとして、日本建築学会の構造・環境工学・建築計画委員会、マルチハザードに対応可能な耐複合災害建築小委員会が主催し、土木・建築TFが後援するシンポジウム「2024年能登半島地震・豪雨による複合災害と対策への教訓」が開催予定であることも紹介された。

シンポジウムのもよう

シンポジウムのもよう

脱炭素WGの活動については、松本亨氏(主査、北九州市立大学教授)が紹介した。 両学会に共通する課題として、「材料の脱炭素化」、また「ホールライフカーボン(WLC)マネジメント」におけるライフサイクル評価手法や原単位の整備の必要性が指摘された。削減努力を適切に評価(EPD)するための基準値の明確化や共通化、需要サイドの取組みや実効性を担保する仕組みについても言及があった。さらに、環境・経済・社会評価の統合化の必要性のほか、「オペレーショナルカーボンの削減」においては、「負荷削減×効率向上×エネルギーの脱炭素化」の3点が必要であり、具体的に何ができるかについての議論が及んだ。

脱炭素WGの松本亨主査(北九州市立大学教授)

脱炭素WGの松本亨主査(北九州市立大学教授)

「連携効果が期待される分野」としては、街区・都市レベルのエリアマネジメントが挙げられた。具体的には、インフラと建築物の連携、民生部門(住宅、事業所)と交通の連携のほか、民生熱需要の脱炭素化が提起された。また、建設業界とそれ以外のセクターカップリング(部門間連携)による脱炭素対策のスタンスも肝要であるとの指摘もあった。

空港・鉄道で進むBIM/CIM連携

続いてDXWGでは、蒔苗耕司氏(主査、宮城大学教授)が説明した。DXWGは土木・建築連携のための共通情報基盤の形成を目指している。DXの土木・建築の連携項目では、①建設生産・維持管理プロセスのDXの活用・連携、②DXによるインフラ・建築のスマート化、③ICT/DX人材育成での連携の3点が示された。

これまでに報告書『建設DXによる真の生産性向上の実現』を取りまとめており、とくに土木・建築が重なる施設を対象にBIM/CIM連携を中心に議論しているが、2024年度は鉄道施設、2025年度は空港を対象とした。また、生成AIの活用に関する議論も開始している。

このほか建設DXの実現に向けて、両学会を中心に産官学が連携して取り組むべき課題として、①生産性の高い働き方の実現に向けたワークフローの再構築、②BIM/CIM適用の拡大に向けた標準化とデジタライゼーション、③都市全体のデジタルデータ化とBIM/CIMデータの活用。④建設分野におけるICT/DX教育の充実化と人材育成の4つの視点をまとめられた。

DX-WGの目指すこと

DX-WGの目指すこと

2025年度の活動では、日本建築学会・土木学会は11月21日、東京港区の建築会館ホールにてBIM×CIMシンポジウム「建築と土木がオーバーラップする空港施設を例として」を開催した。シンポジウムでは、建築・土木両分野に跨る施設を扱う「空港」に着目し、行政・空港会社・設計会社・建設会社を交えた講演・事例紹介を通じて、BIM/CIM技術の動向や課題を共有した上で、課題解決の方向性について議論した。今後の活動方針として、2026年度は土木情報学シンポジウムを予定している。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2026/01/06 19:55

    この話し合いで国益が上がるとは思えません
    もっと根本的な問題を解決するべきですね

    まずは国の機関が連携をすることが大事だと思うのですがどうでしょうか?

    国益が無ければ日本の衰退は止まらないでしょう

    返信する 通報する

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