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ただつくるだけでは生き残れない。地域ゼネコンが請負から脱却し、「まちづくり企業」へと進化すべき理由

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長井 雄一朗
公開日:2026.03.12
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新・建設業地方創生研究会 事務局長の矢部智仁氏(合同会社 RRP 代表社員)

新・建設業地方創生研究会 事務局長の矢部智仁氏(合同会社 RRP 代表社員)

目次
  1. "必然的"に進展する「公民連携事業」と研究会の役割
  2. 「PFIは大都市のもの」は過去の話。年間1,000件の巨大市場に
  3. 「2030年問題」を解決するのは、官民の役割分担
  4. 地域に人を呼び込む、澤村・加和太建設の先行事例
  5. 「スモールコンセッション」が地域ゼネコンの未来を拓く

地域ゼネコンは長きにわたり、インフラ整備や維持管理などの公共事業を通じて、地域社会の安全・安心を支える「地域の守り手」としての役割を果たしてきた。しかし現在、地方自治体の財政逼迫や市民ニーズの多様化により、公共サービスを取り巻く環境は激変している。行政単独での地域課題解決が困難になりつつある今、地域ゼネコンには「公民連携型事業」への積極的な参画が求められている。

そうした中、(一社)新・建設業地方創生研究会(安成信次代表理事)が設立された。同研究会には、「まちづくりを担う建設業」を目指す地域ゼネコンが集結。最新情報の共有やデザインビルド型実務の学習などにより、従来の「受注請負型」から「企画提案型企業」への転換を図るため、PFI・PPPへの挑戦やまちづくりへの参画を通じて、地域に不可欠な存在となるためのプラットフォームだ。

2025年12月、東京ビッグサイトで開催された「JAPAN BUILD TOKYO-建築・土木・不動産の先端技術展-」では、同研究会事務局長の矢部智仁氏(東洋大学大学院 公民連携専攻客員教授、合同会社RRP 代表社員)が登壇。「変われ地域ゼネコン。新・建設業地方創生研究会の取り組み」をテーマにセミナーを開催し、大きな反響を呼んだ。本稿では、地域ゼネコンが進むべき未来を示した同セミナーの内容を詳報する。

“必然的”に進展する「公民連携事業」と研究会の役割

セミナーのようす

セミナーのようす

講師を務めた矢部智仁氏は、1987年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートに入社。建設・不動産業界の販促支援や「リクルート住宅総研」所長を経て、業界動向調査や政策提言に従事してきた。

2013年には東洋大学大学院公民連携専攻へ進学し、翌年に修士号を取得。「建設・不動産業こそが、公民連携を通じて地域課題を解決できる」との確信を持ち、2016年からは同専攻の客員教授として人材育成に尽力している。現在は、2021年に設立した合同会社RRPの代表として、また国土交通省PPPサポーターとして、PPP・PFI手法の導入・活用を促す啓発活動を全国各地で展開中だ。著書に『変われ!地域ゼネコン―先進18事例に学ぶ新・建設業2030』(日経BP)がある。

矢部氏が事務局長を務める「新・建設業地方創生研究会」には、北海道から九州まで約60社の地域ゼネコンが正会員として参加。さらに、それらを支える不動産会社、管理会社、人材派遣会社、システム会社などが賛助会員として名を連ねる。主な活動は、毎月1回の視察やセミナーだ。注目の公民連携プロジェクトがあれば現地へ赴き、視察がない月でもWEBセミナーを開催。経営者だけでなく社員も参加可能で、ノウハウの共有を行っている。「国土交通省や内閣府の地方創生推進事務局関連のキーマンにもアドバイザーとしてサポートいただいており、官民双方の視点から学べるのが特徴だ」(矢部氏)。

セミナーで矢部氏は、地域ゼネコンが直面する現状と打開策について、①地域ゼネコンを取り巻く環境経営環境変化、②地域独特の課題の解決・解消、③地域ゼネコンが課題解決に対して手を挙げて、地域に貢献する、④今後注目を集め、ビジネスを自分でつかむスモールコンセッションの4点を解説した。

まず言及したのは、経営環境の激変だ。事業環境の変化を捉えるには、人口動態や世帯構造、地域の建設投資額といったマクロ指標に加え、為替変動による資材価格の高騰、残業規制といった制度変更など、多角的な視点が必要となる。マクロで見れば、建設投資額自体は上昇傾向にあり、仕事量は確保されているように見える。しかし、その「中身」は劇的に変化している。特筆すべきは「インフラの老朽化」だ。高度経済成長期(1960~70年代)に集中的に整備された道路、橋梁、トンネルなどの社会インフラは、今後10年で建設後50年を一斉に迎える。これらをいかに修繕し、長寿命化させるかが喫緊の課題となっている。

建設後50年以上経過する社会資本の割合(国土交通省)

建設後50年以上経過する社会資本の割合(国土交通省)

しかし、高度成長期と決定的に異なるのが「人口構造」だ。少子高齢化により社会保障費が増大する一方で、建設投資の必要性は高まるというジレンマにある。 地方自治体の歳出は、人件費、社会保障費、公債費(借金の返済)、そして公共施設の維持修繕費の「4大支出」で手一杯であり、新規事業に回す予算はほとんどないのが実情だ。

そこで浮上するのが「公民連携(PPP/PFI)」という手法である。矢部氏は「民間資金とノウハウを活用するアプローチが不可欠になった。既存の公共施設を延命させる公共施設マネジメントや、コンパクトシティという新たな都市計画方法を採用したインフラの更新が必要だ」とその意義を強調した。

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この記事を書いた人

長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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コメント(1)

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  • - 2026/03/12 19:07

    税金が安くなるなら賛成!

    誰も利用しない施設でお金だけかかる物反対!

    騙されて倒産する地場ゼネコン

    騙されてお金を吸い上げられる市民

    必要なものに必要なお金を払うのならみんな幸せですねw

    順番を間違えると大変ですよ道がないところに建物立てたら困らない?
    後から道を作っていたら収益に差が出ませんか?

    返信する 通報する

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