リーマンショック直撃…紆余曲折あり建設業界へ転職
中国の故事「人間万事塞翁が馬(※)」という言葉を地で行くような人生を歩んでいる技術者に出会った。
空調設備などの建築設備工事を手掛ける株式会社リノベートファーム(本社:広島県広島市)の技術チームで働いている高宮雄貴さんだ。
工業大学の情報学科を卒業したのに、リーマンショックで畑違いの着物や宝石の販売会社に入社。しかも、その会社も2年で倒産。
何か身に着けようと職業訓練校で電気技術を学んだことがきっかけで建設業界へ転身した。
「空調工事の現場を任せられるような仕事に就くとは思いもよらなかった」「夏場のエアコン工事は地獄だ」と語る、若き技術者に話を聞いてきた。

株式会社リノベートファーム・技術チームの高宮雄貴さん
※人間万事塞翁が馬:老人(塞翁)の飼っていた馬が逃げ、人々が気の毒がっていたところ、逃げた馬が優れた別の馬を連れて帰ってきた。今度は老人の子供がその馬から落馬して足を折ったが、そのおかげで兵役を逃れて命が助かった――つまり、人の幸せや不幸は予測ができないので安易に喜んだり悲しんだりすべきではないという例え。