コミュニケーションマップとは、竹中工務店によって開発されたインフォーマルなコミュニケーションのシミュレーションツールのことで、スタッフの行動実態を円滑な建築計画/合意形成に反映させるものである。原理的には、医療スタッフの1日当たりのスケジュールのデータ収集から個々の行動パターン/作業場所/作業時間/業務近接度などを蓄積し、行動特性データとして解析することによって、動画にてコミュニケーション発生状況を把握するものである。尚、コミュニケーションマップの活用によって複数のプランが比較可能となるため、設計・合意形成の合理化/新たな空間の設置/コミュニケーション量の増加に向けた検討案の作成などに寄与するものである。ちなみに、コミュニケーションマップの開発経緯には、近年チーム医療を主流とする多職種間のコミュニケーションの重要性が指摘されていたことを受け、偶発的でインフォーマルな交流を環境に反映させる取組が期待されていたことが挙げられる。