中間貯蔵施設の施工管理業務とは?
——中間貯蔵施設の建設現場では、どんな業務を?
放射性汚染物質の輸送計画に関する施工計画、施工管理です。「輸送計画って何?」と思う方も多いと思うので、簡単に中間貯蔵施設について説明すると、中間貯蔵施設の工事概要は大きく分けて、「本体工事」と「付随工事」に分かれます。
「本体工事」は、保管場工事とワンスルー工事に大別されます。保管場工事とは、福島県内の各所にあるフレコンバックの仮置きをいったん市町村の指定する積み込み場に集め(※編集部注:ここまでは市町村発注)、その後、積み込み場から中間貯蔵施設の建設予定地付近の保管場まで輸送します(※環境省発注)。放射線量によっては、輸送先等も変わりますし、フレコンバックは一つ一つGPSで管理され、搬出、輸送、搬入と、どこにどのフレコンがあるか管理しています。
ワンスルー工事とは、輸送作業にプラスして、搬入先に選別所を建造する工事のことです。輸送されたフレコンバックを線量別や種別に選別し、貯蔵施設へ保管するという作業を一気通貫で行うので、通称ワンスルーと言われています。
中間貯蔵施設の建設現場は、選別された廃棄物を貯蔵するために、2キロ以上のベルトコンベアーを建設するなど、とにかく規模がデカイ。保管場工事とワンスルー工事どちらの作業も一日あたりの輸送ノルマ数が決まっているので、通過する道路状況等も考慮しながら、安全管理を第一に運営している、といったところです。
——もう一つの「付随工事」は?
「付随工事」というのは、輸送に伴う常磐道路の拡幅工事や、スマートICの建設なども含むと聞いています。どこからどこまでを中間貯蔵施設の付随工事と呼んでいいのか難しいので、あとはネットで調べて下さい(笑)。
——中間貯蔵施設は品質管理、工程管理など他の現場と違う?
前例がない事業なので大変です。お客様と一緒になって提案・検討し、施工計画を立てる、これにつきますね。それから発注者が国交省ではなく環境省なので、従来の施工管理でやってきた当たり前の感覚が伝わらないという歯痒さはあります。ただ、去年から国交省から来ている方も多くなってやりやすくはなっていますね。
除染も中間貯蔵施設も構造物の作成がメインではないので、中々可視化して仕事出来ないという側面もあります。ただ休日に福島県内を観光していると、県内各地にフレコンバックの仮置き場が多数あるのを見かけますが、これを無くすために自分は仕事をしているのかと思うと、重責とやりがいを感じますよ。
——中間貯蔵施設工事は先々どうなっていく?
今後は加速して進んでいくと思います。
——その根拠は?
加速しなければ、目標の輸送量をクリアできませんし……。