言葉遊びのi-Constructionに違和感。YDNは技術馬鹿の集まり
——YDNは、i-Constructionを勉強する組織なのか?
YDN たしかに建設業界では、10年後に建設労働者が3分の1に減少するといわれ、国交省はしきりにi-Constructionを推奨している。しかし、僕に言わせればi-Constructionなんかどうでもいい。
最近の土木業界は猫も杓子もi-Constructionといっているけれど、そのほとんどがやらされているi-Con、規格にはめられたi-Con、言葉遊びのi-Conとなっている。僕はそれに違和感がある。
とにかく現場での効率を重視するのがYDNの理念。効率化に関するルール(規格)は未整備である場合が多いが、ルールがなければYDNでつくればいいと思っている。
発注機関などでルールをつくる人っていうのは、現場を知らない人が多い。本来は現場に精通している人がルール作りに参加すべきなんじゃないかな?そこで、YDNが役に立つと思っている。
YDNがNETISに申請した「ドローンアイズ」とは?
——具体的にYDNはどんな活動を?
YDN 技術馬鹿たちがひたすら現場検証をして、新技術の有効性や生産性向上に本当につながるのかとか、そうした活動を日本中でYDNのメンバーがやっている。そのデータはITを駆使して集約され、国交省などの発注機関に提案している。でも、YDN構成企業のほとんどは、国交省案件への入札参加資格がないけどね(笑)。
YDNはとにかくやってみる。実践を大切にしている。失敗も成功も共有しているのが、YDNの会員企業が得られる最大のメリットだと思う。例えば、ドローンを使った空中写真測量という技術があるが、その中で割と大変なのが画像解析。ソフトウェア(アプリケーション)の特徴というか、癖のようなものをつかむのが実に大変。こうした悩みをFacebookのグループ機能を利用して教えあったり、意見交換したりしている。
技術的な話になっちゃうけど、ドローン測量をやったことがない人が、まず最初にくじけるハードルが自動航行設定。国産のアプリではi-Conに準拠したものがない。そこでYDNメンバーの交流を通じて自然発生的に「じゃあ、自分たちで作っちゃおう」ということになった(笑)。それが「ドローンアイズ」というアプリで、今、NETISに申請しているところ。
ドローンアイズを使えば、初めてドローン測量をする人でもルート設定がたった5分でできるようになって、さらに発注者に提出する撮影計画書の帳票が自動作成される。そんな高度な技術開発の端緒が、単なるノリで始まった。自分たちでも驚いている(笑)。