ヨーロッパで普及している「ロールマット工法」の進化系
ラクラクロールマット工法は、もともとデンマークの機械メーカーPEDAX(ペダックス)社が開発した「ロールマット工法」を改良したものだ。
ロールマット工法とは、特殊機械で製造する「先組み鉄筋」による施工方法。その名の通り、複数の鉄筋を任意の間隔ですだれ状につなぎ、「ユニット化した鉄筋」をロール状に巻き取った「ロールマット」を使う工法だ。このロールマット工法は、ドイツを中心にヨーロッパで普及しており、日本ではスギウラ鉄筋がロールマット製造機械(PEDAX社製)の独占販売権を有している。
従来のロールマット工法では、屈んで態勢でロールマットを広げなければならなかったが、鹿島建設がスギウラ鉄筋と一緒に開発したラクラクロールマット工法の場合、立ったまま安定した姿勢で作業ができるので、作業員の肉体的負担の軽減と安全性が向上する。
ラクラクロールマット工法は、工場でロールマットを製造する段階で、展開用のロープを鉄筋とともに巻き込んでおくことで、現場に搬入後、作業員は所定の位置でロープを引くだけで簡単に展開、配筋することができる。
配筋の作業時間を半減!ラクラクロールマット工法の適用効果とは?
まとめると、以下4点がラクラクロールマット工法の特長だ。
- 太径の重量がある鉄筋でも、無理なく引いて配筋することが可能
- 鉄筋上の不安定な場所での配筋作業が減少し、足の踏み外し、つまづきといった災害を減らせる
- 無理のない姿勢で作業ができるので、作業員の肉体的負担が軽減
- 作業員が配筋範囲全体を見渡せるため、従来のロールマット工法に比べて、配筋精度が向上

従来のロールマット工法とラクラクロールマット工法の比較
そして、ラクラクロールマット工法は、すでに「新名神高速道路高槻インターチェンジ中工事」と「東京外環自動車道市川中工事」の現場で適用されており、下記のような効果を発揮している。

ラクラクロールマット工法の適用実績
作業員の負担を軽減し、安全性や配筋精度の向上も可能にしたラクラクロールマット工法。
鹿島建設は、今後も展開方法の改善や、運搬・設置作業の効率化を進めるとともに、コンクリート工事全体のさらなる生産性向上に向け、技術開発を継続していく。
期待しよう!