モダンアパートメント吉田賀織氏に聞いた「リノベーションによる不動産の新たな価値」
三菱地所レジデンスの「Reビル事業」を施工の面で支えているのが、賃貸マンションやアパートのリノベーションを得意とするモダンアパートメントだ。鶴見部長からも「モダンアパートメントは、よきパートナー会社」と高い評価を得ている。
そして「ザ・パークレックス」ブランドをはじめ、ビルや社宅などのリノベーションについて、施工面の総合プロデュースを担当しているのが吉田賀織さんだ。
吉田さんは、もともと飲食店専門の設計事務所でデザイナーとして働いていたが、自分がもっと社会貢献できる業界はリノベーションであると考え、モダンアパートメントに転職した。
モダンアパートメントは、今期で12期目。渡邊勇三代表取締役がゼネコン勤務時代に、新築マンション営業を担当していた当時、賃貸マンションの空室率が増加していることに危機感を抱き、設立したリノベーション会社だ。 今あるストックをいかに有効活用するかに焦点を置いたビジネスを展開している。
「モダンアパートメントはオーナー目線が第一。リノベーションを実施する際は、10人いれば10人が気に入る部屋ではなく、10人いれば3人が強烈なファンになってくれる部屋で愛着をもってくれるようなリノベーションを心がける。無難な部屋よりもインパクトに残る部屋を目指しています。 」(吉田さん)
三菱地所レジデンスがReビル事業を開始した時から、吉田さんは「ザ・パークレックス」シリーズに携わっている。
リノベーション完成後3ヶ月以内の成約率97.8%という驚異
今や中古収益物件の空室対策として、リノベーションは必須。古くなった部屋は、入居率が低くなっていることがオーナーの大きな悩みだ。モダンアパートメントの強みは、リノベーション完成後3か月以内の成約率が、97.8%という驚異的な数字をたたき出していることだ。この秘訣は 、一体どこにあるのだろうか?
「ローコストで企画力のあるデザイン性の高いリノベーションを施すことで業界トップクラスの入居率を実現しています」(吉田さん)
吉田さんは、ただおしゃれにリノベーションするのではなく、入居率を高める視点を重視して、トータルの改善方法をオーナーに提示するスタンスだ。
オーナーからは、設計・施工前の上流のコンサルの業務から、「どうすれば入居率が高まるか」という相談が多く寄せられ、根本の問題を解決する案を提示し、これに応えてきた。
モダンアパートメントの渡邊代表取締役は、「収益不動産のバリューアップに特化した、企画プロデュース会社」として、同社を創業した。空室率を解消するためには、施工だけでは困難。マンションやアパートの空室率が高い要因は、賃料設定、立地などさまざまな周辺状況によるが、モダンアパートメントは総合的に改善提案を行う。
とはいえ、物件のハード面は変えられない。たとえば、駅徒歩何分とか、エレベータが設置されていない部分についてはそのままだ。しかし、部屋のソフト面や機能面をより充実させ、間取りを変化させることにより、入居率をアップすることは十分可能だという。
「今、古い物件を取り扱うことが多いですが、現在のニーズに合致していない事例が多い。たとえば、家族構成にあわない間取りは空室率が高い要因になるので、間取りを大幅に改定することが大事です。 」(吉田さん)
吉田さんはモダンアパートメントに入社当初、営業を担当。その後、現場・施工管理を含め、ワンストップサービスに対応するため、現職は総合プロデューサーという立場に。
「私は強いチームの結成を心がけています。とりわけ施工でのチーム体制を意識して日々の仕事をしています。『ザ・パークレックス』ブランドを手がける前後でも、施工メンバーに変化はあまりありません。通常の改修工事ではなく、入居率を高めるリノベーションを施工するためには、強いチームが必要です。」(吉田さん)
では、強いチームとは何なのか?
「この4年間で物件をこなし、ノウハウや使用する材料など、職人たちの知識や現場対応力が高くなっていると実感しています。ものづくりをする職人がいてこそ、私たちの仕事が成り立っていることを痛感しています。職人のおかげで素晴らしい空間ができていることを念頭におきつつ、現場管理をするうえで職人が気持ちよく仕事をする環境を整えることが第一だと考えています。事業を展開されるお客様と、職人の管理や調整が私の仕事です。 」(吉田さん)
施工チームを強化していく上で、最も重要なのは職人とのコミュニケーション。 三菱地所レジデンスが展開するシェアハウス開発事業では、デベロッパー、オペレーター会社、そして建設会社、職人などが一つのチームとして、今後も快適な住空間を追求していく。
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