日大アメフト部に学ぶべき公共土木工事の技術者
本来、土木施工管理技士や土木設計技術者は、発注者の意向に反していようが、発注者の過ちは指摘すべきである。
「発注者の指示が間違っていても、発注者の意向だからやるしかない」――そんな考えのままでは、いつか宮川選手のように過ちを犯す土木技術者が出てきてしまうだろう。
土木工事では、ほんの少しのボタンのかけ違いが、大事故や死亡事故につながってしまう。
事実、NEXCO西日本の工事現場では昨年、事故が相次ぎ、死亡者も出てしまった。原因については、さまざまな不手際が報道されたが、その根底には発注者と受注者、あるいは元請けと下請け、現場監督と職人など、立場の違いによる「コミュニケーションの乖離」があったはずだ。
技術者は言うべきことを言っていたか。必要なことを伝えていたか。発注者は受注者の言い分を聞いていたか。疑問点は聞いていたか。
公共工事では、技術者として言うべきことを言えない雰囲気がある。日大アメフト部の事件は、他人事ではない。そのまま公共土木工事に当てはまる。
後悔する前に、大問題に発展する前に、土木技術者こそ、言うべきは言おう!正義は絶対勝つ!
日大アメフト部の内田前監督の会見に対してマスコミの批難が集中しているが、同じ問題が土木業界にも巣くっていると感じたのは、私だけではないだろう。