「暖房積極派宣言Let’sつけっぱ!」のススメ
上代社長は2009年から「いずも百年の家プロジェクト」に参加している。
「100年間住み継いでもらうために一番大切なのは、何よりもそこに住む人の生活があるということです。次に家本体、そして我々も家守として事業を続けていかなければなりません。」
家そのものより家に住む人の暮らしを大事にするからこそ、上代社長には繰り返し重要性を訴えていることがある。
それが、「暖房積極派宣言Let’sつけっぱ!」である。
「冬場のヒートショック対策として暖房を24時間つけっぱなしにすることを提唱しています。今、冬のお風呂まわりで亡くなってしまう方が年間2万人近くいると言われています。かつての“行ってらっしゃい、気を付けて”という家族の言葉が “おかえりなさい、気を付けて”と言うべき時代になってしまっています。
住む人の命を守るためにある家で命を落とすなんて本末転倒。ですから、私は“Let’sつけっぱ!”を言い続けるのです」。
ところが、ここで立ちはだかるのが「もったいない精神」なのだという。
ヒーローショーを開催して子どもにもわかりやすく
「これは意外と根深い問題だと思いますね」と上代社長は苦々しく話す。
「家を建てた後に施主さんとお話しをすると、“もったいないから暖房を入れていない”という言葉をよく耳にします。日本人が培ってきたもったいない精神は素晴らしいものです。
ですが、これからは“暖房をしたらもったいない”ではなく、“家族の健康が守れなかったらもったいない”にシフトしなければなりません」。
実は北海道では意外にもヒートショックが少なく、目指すべきは北海道の生活なのだという。「北海道はしっかり家全体を暖房していますからね。一方、部分的に温めるコタツをよく使っている地域はヒートショックが多い傾向にあります。山陰もコタツをよく使うので啓発が必要なんです」。
その啓発活動の一つがなんとヒーローショー。悪の総帥「ヒートショッカー」をやっつけるというストーリーで子ども達にもわかりやすく暖房の重要性を伝えている。