皿リベットと首都高速日本橋
リベットは、一般に使われている「丸リベット」の他に「皿リベット」があります。
皿リベットは丸い頭部が表に出張っていては困るような場合に用いられました。継手となる一番表面の板を円錐台状に削り取って、この穴にリベットを押し込んで、平らなスナップで叩くことによって、平面状のリベットのしたものです。(その形状は下図のとおり)
機械部品などでは、表側に重ね合わせや作動部分がある場合などに使われたようですが、工場における接合が溶接となってからは、ほとんど使われることはありませんでした。
ただ、高架橋などで橋の下が繁華な通行路になっているようなときには、見栄えをよくするために、下面の接合部のみを皿リベットにするという使い方がありました。
その良い例が、首都高速日本橋です。
近年、つとに評判が悪い高速日本橋ですが、これを地下化しようという話は、過去にも何度か議論になったようです。今度のオリンピックを契機に、再度このことで議論が盛り上がり、先日ついに地下化が決定しました。
この高速日本橋ですが、注意してよく見てみると、継手の下面側は皿リベットになっています。よく作ったなと思います。
しかも下面ですから、鉄砲の打ち手は“カチアゲ”、当て盤は箱桁の中、という過酷な条件での作業であったことでしょう。
当時はまだ、バリバリ現役のカシメ屋がいたからこそ出来たことですね。
カシメ屋の遺産であるその高速日本橋も、いずれ消え去ることが決定してしまいました・・・。
超おもろいやんけ!
とても面白い連載記事でした。
まさにTHE 職人 という記事です。
他の職方の記事も読みたいと思います。
記事面白いです。
屋根工事をしていますが、これからの季節は太陽光と屋根の熱で倒れそうになりますが、カシメ屋さんに比べたらマシですね。大変なのは変わらないけど励みになります。ありがとうございました
確かに、技術も進歩しましたが、1番の違いは、働く環境の変化ではないでしょうか。