クラック幅0.1㎜まで確認 狭小空間点検ロボット
——そして、床下点検ロボットがインフラ点検用のロボット「moogle evo(モーグル エヴォ)」に進化したわけですが、その経緯は?
大塚 モーグルを活用されているお客様から、社会インフラやまちづくりの点検に応用できないかというお声をいただきました。そこで、お客様の要望を取り入れつつ、改良したのが「moogle evo(モーグル エヴォ)」です。 箱桁橋梁やトンネル、共同溝、用水路などでの効率的なインフラ点検をサポートします。
国土交通省道路局の橋梁点検要領では、供用開始後2年以内に初回の定期点検を行い、以降5年に1回の頻度で点検するとしています。その点検は近接目視で行うことになっていますが、点検する技術者も人手不足ですので「moogle evo(モーグル エヴォ)」の出番も出てくるのではと考えています。
——「moogle evo(モーグル エヴォ)」開発で力を入れた点は?
大塚 今回の改良点の中では、特にクラックスケールの機能向上を意識しました。従来のクラックスケールを0.3㎜から0.1㎜を可能としました。また、クラック自動判定機能に関しても、検証を繰り返して実現しました。クラック幅の自動判定機能では、クラック幅に応じて自動で青、黄、赤に色分け表示を可能にしています。
また、バッテリー稼動時間を約2倍に改良し、コントローラーの無線化や、温湿度センサ内蔵、本体LANポート(有線可能)内蔵まで、スペックを向上させました。
——細かいクラックも認識できる?
大塚 従来は0.3mmクラックまで確認できたのに対し、解像度を4倍に向上させ、国土交通省「橋梁定期点検要領」を満たす、0.1mmクラックまで調査できるようにしています。
ロボット事業推進室の役割
——インフラメンテナンス時代が到来し、点検者が人手不足な状況を打開できそうでしょうか?
大塚 「moogle evo(モーグル エヴォ)」を現場で活用いただくことで、負担軽減や点検精度の向上をはかり、より長く技術者が現場で活躍されることを期待しています。また、男女関わらず様々な年代の方にロボットを活用いただき、活躍の場の幅を広げていきたいと考えています。
——今後、「moogle evo(モーグル エヴォ)」の機能も進化していく?
大塚 導入現場の幅をひろげ、現場のノウハウをさらに蓄積していきたいと考えています。進化するためには、お客様の声や現場のノウハウが大切です。そういったノウハウを開発にフィードバックし、役に立てる機能やロボットを検討していきたいと考えています。
——ますます実用的な技術開発が進むと期待しています。ところで大塚さんが所属する「ロボット事業推進室」の役割は何ですか?
大塚 ロボット事業推進室は、ロボットの活用を通じて、少子高齢化に伴う問題解決や女性の社会進出を促す目的で創設されました。
現在は、主に「働き方改革」を背景とした現場支援をテーマに、現場の課題解決をするための技術開発を含めた提案力を強化しています。
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