発注者との協議に追われ、「現場事務職員」のような日々
――今の現場は順調ですか?
大﨑 今やっている橋脚下部工の現場は、当初の工期は今年1月から8月末でしたが、着手したのは3月でした。工事の中止もあったので、完成時期は大幅にのびています。
工期が延びた原因は、用地などの補償問題が済んでいなかったことが主な原因です。発注段階でしっかりした設計ができていれば、このようなことにはならないのでしょうが、とにかく修正協議が多いですね。
それと、周辺への配慮として、稲作期間中は農業用水路の水を切ることができず、用水に影響する工事などは収穫を終えるのを待ってからとなり、着手できたのは、当初契約工期後の9月からでした。
――大変ですね。
大﨑 発注者との修正協議は、「いつものこと」のようになっています。発注者とは、工事が始まる前に、図面や用地・支障物件などに関する協議を行い、問題点の洗い出しなど事前に一通りのことを取り決めておくのですが、この現場は広範囲で、工区内を横断する道路・水路が10箇所あるので、そういった取り決めの協議数は完成までには50項目を軽く超えそうです。
計画段階当初にもう少し時間を掛けて事前協議を進め、計画確定後工事発注すれば、現場サイドとしては、もっと「ものづくり」に集中できるのですが。
現状では、契約図書にはない、または現地との不一致などによる不具合が発生した場合、現場踏査・測量し、仕様書に基づき比較検討計画書(案)を作成したものを協議書として上げます。発注者は、その内容が良ければ、それを指示書として、契約図書とする流れです。
そういう仕事がとにかく多いので、「ものづくり」より「かみづくり」に終始追われ、現場監督と言うより「現場事務職員」という感じです(泣)。
――実際のところ、「働き方改革」は掛け声だけですね。
大﨑 現場がわからないと、書類もつくれません。それがボクらの仕事なのは理解していますが、若い子を育てる時間が取れないという悩みがあります。発注者との協議が苦痛で、会社を辞める子もいました。
ボクは「ものづくり」が好きなので、その辺は苦になりませんが、苦に感じる子はいます。これまでにも工事が終わるたび、「工事発注以前に処理できる協議関係は、事前に済まして欲しい」などの改善要求しているのですが、一向に改善されません(怒)。
――実に無責任な話ですね。
大﨑 例えば、新たな河川追加工事の依頼があるとします。受注者としては、工事計画を立て、発注者に「こういう流れで施工します」という提案を上げると、発注担当者から「地元自治体と河川管理事務所と協議をする必要があるので、協議書を作成してもらいたい」と依頼されるわけです。
協議自体は、発注者が申請者となるので、本来は発注者がつくるべき書類と思ってはいても、昔からの「受け負け」の風潮もあり、忖度していますね。コンサルティング費用をいただけるのならば、張り切ってやりますけど(笑)、霞ヶ関から「働き方改革」を謳う前に、ぜひ現場にお越しいただき、リアルな現場監督の声を聞いて欲しいと思います。
発注者!見てるか?
発注者!見てるか? ②
発注者!見てるか?③
発注者!見てるか?④
デカい現場じゃないのに、かき氷はうれしい。この監督は表情からして良い監督だと伝わってくる。若手も辞めなそう。
霞が関!見てるか?
良い現場監督だって伝わってくる。建設業界紙は施工の神様を見習うべきですね。
素晴らしい。見習う事ばかりでした!
たまに施工の神様も本物の方出すのね‼️