学力は中学レベルで十分。やる気の出る職場づくりが大事
――人を育てる上で苦労していることは?
大﨑 昔であれば、ドンドン追い込むやり方で、人を育てていましたが、最近はそうはいきません。今の若者は「イヤ」「できん」「辞める」などと、平気で言いますから。
あるとき、若い子に「みんなにジュース買うてこいや」と千円渡そうとすると、「イヤです」と言われたことがあります(笑)。ボクが若いころは「ノー」とは言えませんでしたが。ボク自身は、若い子にワーワー言うことはありませんが、ちょっとでもヤル気が出るように、若い子に責任を持たせる環境づくりを心がけています。例えば、「これ、今日やっちょかんと明日、職人が困るがやない?」といった感じで、声かけするようにしています。
土木の現場では、学力は中学生レベルで十分です。必要なのは応用力、機転がきくかどうかです。それとコミュニケーション能力。例えば、おんちゃんとバカ話ができる能力です。
――良い現場監督の条件は?
大﨑 職人たちが気持良く「自らやる気を起こさせる」環境をつくることが、良い現場監督の条件だと考えています。以前大手のゼネコンへ出向してたときの監督にこんな人がいました。下請けに対して、ふだんから偉そうに「あれせえ、これせえ」言う一方、ゴミ一つ拾わない監督で、もちろん現場職人を見下したような方でした。そういう監督の現場は雰囲気が悪いです。職人さんなどのヤル気も落ちますよ。
ボク自身、現場のみんなが手待ちにならず、スムーズに仕事ができる工程環境と「ちょっとでも良いものをつくろう」という気持ちになるような「やる気の生まれる職場環境・人間関係づくり」を常に心がけています。
ボクの現場では、夏場には常にカキ氷を用意しています。10年以上続けています。とくに、足場屋さんとか基礎屋さんとか、短期間現場に来る職人達には、大好評です。「大崎の現場はカキ氷が食えるぞ」と(笑)。
あと、マッサージチェアなども喜ばれています。現場の仕事は、時間にばかり追われるイメージですが、意外と自由も効くんですよ。「今日はこれでヤメろう」と言って、「花見に行くぞ♪今晩はお客ぜよ♪」って感じで(笑)。
土木は、最終的にモノが完成してなんぼの世界
――現場監督の魅力は?
大﨑 現場監督の魅力は「ものづくり」ができること。これに尽きますね。他の業界ではあまり味わえませんよね。建設業は多種多様な業種が力を合わせ、何もない地に「もの」をつくりあげる仕事です。その「もの」をつくりあげるには、一人がジタバタしたところで何も始まりません。
現場監督がやるべきことは、工事完成に向けて各業者間の施工調整を図り、仕事をしやすい環境づくり、各職人さんが元気に楽しく、やる気をもって仕事を進めるためのレールを敷き続けること。工事始まった当時には不愛想だった男たちが、工事完成時にはともに喜びを分かち合える瞬間を毎回つくることです。
10月15日で58才を迎えました。定年間近となり、現場監督を離れることとなったとしても、終身「ものづくり」からは離れる事はできないことでしょう。
――今後の末長いご活躍を期待しています。
大崎さんは過去に、自身が手がけた現場の進捗などをブログで公開していた。今は休止しているようだが、再開が待たれるところだ。
「平成23-24年度 鎌田改良工事日記」http://kamatakairyou.seesaa.net/
「天神改良工事日記」http://tenjinkairyou.seesaa.net/
「衣笠高架橋下部第1工事日記」https://ameblo.jp/kinugasakokakyou/
「初瀬トンネル工事日記」http://hatusetonneru.seesaa.net/
「鎌田高架橋下部工事日記」http://kensetugenba.seesaa.net/
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デカい現場じゃないのに、かき氷はうれしい。この監督は表情からして良い監督だと伝わってくる。若手も辞めなそう。
霞が関!見てるか?
良い現場監督だって伝わってくる。建設業界紙は施工の神様を見習うべきですね。
素晴らしい。見習う事ばかりでした!
たまに施工の神様も本物の方出すのね‼️