マシンガイダンスによる施工
——今回の表彰理由に「ICT活用工事」がありますが、具体的にどのようなICT技術を導入されたのでしょうか?また、導入によってどのようなメリットがありましたか?
主なものは、レーザースキャナーによる3次元測量および出来形管理と3D-MG(マシンガイダンス方式)バックホウによる切土掘削および法面整形です。
レーザースキャナーによる起工測量は、現地を3次元でとらえるため、取りこぼしが少なく、基準点から2点確認できればどの位置からも測量できることから測量時間を大幅に削減できました。また、測量士プラス補助作業員1名で行うことができ、コストの縮減にもつながりました。
マシンガイダンスによる施工では、法面整形時に天端部のみ丁張をかけましたが、その他の丁張作業を省略し作業の効率化が図れました。また切土法面整形でも通常の掘削作業でも、ソフトの設定で1cm~2cm単位での浅目の切込みが可能となるため、オペレータも余裕をもって作業することができ、結果として手戻りもありませんでした。
——今回のICT活用を通じて、次の工事への課題もありましたか?
まず、レーザースキャナーとソフトを保有している測量会社が県内に少ないことが挙げられます。結果として割高なレンタル料金が設定され、経費の面からは積極的に採用できないことが考えられます。今回の場合は、ギリギリの経費として会社が認めてくれたので何とかなりましたが。
マシンガイダンスによるバックホウの操作については、経験の浅いオペレータには難しいかもしれません。掘削勾配や角度等が数値とアニメーションで表示されるのは良いのですが、経験の浅いオペレータでは、表示される画面ばかり気になって、逆に作業効率が落ちてしまうのではないでしょうか。
今回は法面整形の実績のあるベテランのオペレータを選抜して作業をしていただきました。最初は、表示される数値に対する不安もあったようですが、事前の2週間程度の練習で慣れていただくことができました。マシンガイダンス搭載のバックホウや付随する基地局設置のための費用もまだまだ割高なので、これから普及して価格が下がるといいと思います。
——現場の週休二日に積極的にチャレンジしたそうですが?
今回の工事は、発注時に「週休二日制による工期内休日日数56日」と明記されていたため、それに基づいて工程表を作成しました。ただし、掘削と土砂運搬作業はどうしても工程がタイトになるため、その期間のみ第2、第4土曜日を休みとする週休二日にさせていただきました。
本工事の工期が雪のない期間であったことも、週休二日を実施できた要因のひとつだと思います。青森の場合は、場所によっては3月~4月まで雪が残っている地域もあります。その心配がなかったことで、週休二日の計画ができました。
——今後も週休二日を実現していくための課題はありますか?
工事の週休二日が必ずしも作業員の週休二日と直結していない点は課題だと思います。青森市内の建設業者の多くは変形労働時間制で就業日を決めているため、現場の休業日イコール作業員の休日にはなりません。
作業員が日給月給制である以上、稼働日の減少が所得の減少につながっては、協力会社の理解を得るのは難しいと思います。今回も協力会社には、本現場の休止日には他の現場を手配してもらうことで対応していただけたので、週休二日を達成できましたが。
これから若い人たちが建設業界に興味を持っていただくためには、こうした給与体系を変えていくことが必要ではないでしょうか。今回の週休二日実施によって、私自身も休日の予定が立てやすかったですし、これからも可能な限り週休二日にこだわっていきたいと思います。
おお、青森の木村建設についに神様降臨!
若い人がいるのが羨ましい。しかもイケメン揃い笑。もっと彼らの声とか苦労話なんてのを聞きたかったな。
今後の現場運営の参考になりました。
マシンガイダンスによるバックホウの操作については、経験の浅いオペレータには難しいかもしれません。そうなんだよな〜
さすがconcom