――イマドキの若者の印象は?
井口 今の若者には、とにかく丁寧に、詳しく話さないと伝わらないところがありますね。教える方も勉強しながらやっていかないといけないと思っています。
特に、「なぜこうするのか」の「なぜ」の部分は詳しく説明するよう心がけています。過去にこういうことがあったから、こうするんだとか。
深夜の数時間が鉄道工事の勝負
――鉄道土木に関する技術、ノウハウの継承はどうなっていますか?
井口 鉄道事業者にとって、技術の継承で最も大切なことは「鉄道を保守する技術」で、それが根幹になっています。
今のところ、ベテランの方々がまだ現役でいらっしゃるので、専任の技能指導者として、その方々に若手がついて、OJTにより技術をつないでいるところです。新人、若手の育成については、年間のプログラムを作成し、計画的に実施しています。
ただ、5年、10年経つと、指導するベテランの数が減るので、そのときにどうやって技術を継承していくかは、大きな課題になっています。
西鉄では、路線の新設に関する特別な教育プログラムはありません。鉄道の技術に関しては、きちんとメンテナンスするスキルがあれば、新しい路線をつくる場合にも応用できると考えています。
鉄道の保守技術は、例えば、古くなった線路や踏切を取り替えるなどの作業です。新しくつくる場合も基本的に作業内容は一緒で、古いものを撤去する作業がないだけだと考えることもできますので、保守する技術があれば、どんなことにも対応できると思っています。
新設独自のノウハウがあるとすれば、そのときの最新の材料や技術などを研究して取り込んでものをつくるということになります。最新の仕様にアップグレードするということです。
保守する際にも、最新のものにアップグレードする検討はしますが、部分的な補修の場合にはそれが限定されてしまうこともあります。
鉄道のメンテナンスでは、列車を直接支えるレールや枕木の線路が目立ちますが、実のところ、踏切や橋梁、高架橋といった線路を支える構造物のメンテナンスがとても重要です。
――「夜間の限られた時間に作業する」には、相応の経験、ノウハウが必要でしょうね。
井口 鉄道のメンテナンスは、道路と違って、通行止めをして迂回することができません。応急処置的な軽微な作業は昼間でもできますが、本格的な修繕工事は、電車が走らない夜間の数時間しか作業ができないんです。
短い時間で工事を終え、翌日の始発列車からは通常の運行ができるように復旧して、次の日にその続きの工事を進めていくという感じで、どうしても時間がかかってしまいます。
そういう制約の中で、いかに効率的に工事するかが鉄道土木のノウハウであり、難しさだと思います。
鉄道工事は、電車を運行しながら日々進める
――鉄道土木の魅力は?
井口 「なにをつくるか」より「どうやってつくるか」というところですかね。今の現場もそうですが、電車が運行している中で、どうやってものをつくっていくか。
いろいろな関係者と協議しながら、最適な工法を選択し、工程を考え、「つくり方」を計画していく。その過程を組み立てていくのが、鉄道土木の魅力だと思っています。
ものづくりのゴールではなく、プロセスが魅力ということですね。
「きちんと完成できるのか」と考えることもあります。ほかの建物や施設のように完成してから、お客様にご利用いただくのではなく、日々お客様にご利用いただきながら、同時に施設や設備を新しくしていくというところが違いかなと感じています。
――ありがとうございました。
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鉄道工事は凄いよね。夜間だし、俺には無理です。尊敬します。
ダムカレーが不謹慎だいう人が何言ってんだと思いますね
施工の神様?何様。クレーム様の集団。
水は落とさないけど、評判はどんどん落ちてますよね。
クレームの神様