シミズ・スマート・サイトの初適用は「からくさホテルグランデ新大阪タワー」
清水建設がこれらのロボットを初めて現場で適用したのは、新大阪(淀川区宮原)で建設を進めている高層ホテル「からくさホテルグランデ新大阪タワー」の工事現場。
工事規模は地上24階、地下1階、建築面積1,050m2、延床面積18,450m2、工期は2017年6月20日~19年8月末を予定している。

「からくさホテルグランデ新大阪タワー」の10月末時点の北西方向からの現場航空写真 / 清水建設
当現場では、資材搬送や鉄骨柱溶接、天井ボード貼りなど、複数の作業の一部で、「Robo-Carrier」、「Robo-Buddy」、「Robo-Welder」の3種類のAI建設ロボットたちが、作業員とコラボしながら自律的に稼働している。工事の進捗に応じて段階的にシミズ・スマート・サイトを適用してきた。
最初に現場に実装したのはExterで、今年3月から資材の揚重作業を開始。建物の鉄骨が7階まで立ち上がった8月には、幅30m、奥行き40m、高さ40mの全天候型カバーが完成。以後、建方の進行に合わせてカバーを上部へクライミングさせながら工事を進めてきた。
AI建設ロボット3機種は、まずRobo-Carrierを10月上旬から荷取場の1階と搬送先階での水平搬送をそれぞれ担う計2台稼働させた。現場作業終了後の夜間帯に、1台が1階の荷取場で天井ボード等を載せたパレットを受け取り、垂直搬送エレベータ内に仮置きし、もう1台が施工階まで上昇したエレベータからパレットを受け取り所定の荷置場に搬送している。
来年2月まで稼働予定で、最終的に天井ボードとエアコンユニットを20フロア分、各階50~60パレットの計1,000~1,200パレットを搬送する。
Robo-Buddyは、12月上旬に現場に導入。今後、3階ロビーや一部客室の吊り天井を施工する予定だ。
Robo-Welderについては、9月上旬から9~24階の鉄骨柱を溶接する予定だったが、現場溶接に対応した新方式のロボット開発を優先したため、作業実績は10月と11月に各1回実施した鉄骨柱2本の溶接に留まっている。
清水建設は、来年からロボットを東京都内の大規模現場を中心に稼動させていく予定。人とロボットが協働できる環境をつくり、建設現場のイメージを変えていけるか注目だ。