施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(後編)

  • インタビュー
  • 技術を知る
長井 雄一朗
公開日:2019.02.05 / 最終更新日:2019.02.06
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 1 コメント
  • メールで共有
竹中工務店の作業所長、総括作業所長、竹睦会会長などを歴任した髙淵弘幸氏。現在は東京理建のリニューアル事業部アドバイザーとして活躍中。

竹中工務店の作業所長、総括作業所長、竹睦会会長などを歴任した髙淵弘幸氏。現在は東京理建のリニューアル事業部アドバイザーとして活躍中。

目次
  1. 所長も、作業員も、全員で施工作業した昔
  2. ゼネコン男性はモテたが、職場結婚が多かった
  3. 三菱ビルヂング(後に爆破事故があったビル)は3社JVで施工
  4. 赤字工事を黒字に転換する総括作業所長の力量
  5. 竹中工務店が不景気で非常事態宣言
  6. 東京理建が「旧山口萬吉邸」をリニューアル工事

※この記事は連載です。まだ前編を読んでいない方は、こちらを先にお読みください。

76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(前編)

所長も、作業員も、全員で施工作業した昔

——髙淵さんは竹中工務店に勤務していたとき、特に思い出の現場はありますか?

髙淵 現場担当時代強いて挙げるとすれば、1964年7月から着工し、1966年10月1日に竣工した「パレスサイドビル」ですね。毎日新聞社が入っている日本近代建築の代表的な建築物です。ちょうど東京オリンピックが開催された年に着工し、私は最初から現場に入っていました。

「パレスサイドビル」には丸い棟が東西にありますが、地下と地上の躯体を同時に施工する逆打ち工法を導入し、そこで鉄筋の拾い出しや仮設計画、施工図や型枠計画図の作成などを担当していました。

私は鳶っ気があって高いところが好きなので、鉄骨が建て終わると各節ごと一番高い柱に登り、上からの眺めを一番乗りで見ることをよくやっていました。

「パレスサイドビル」を設計した建築家・林昌二さんの奥さんは、女性建築家の草分けである林雅子さんです。建築設計に携わる女性は少なかったので当時、業界ではたいへん話題になりましたね。

同じ頃、吉村設計事務所の奥村まことさんも有名で、笄町住宅等の設計で私が工事施工を担当しました。また、奥村まことさんのご主人・昭夫さんがNCRビル(現・日本財団)の設計を担当していました。

——「パレスサイドビル」の工事で苦労したことは?

髙淵 近接に高速道路の工事や地下鉄東西線の工事も同時進行していて、地下水が建物側に流れてきたときは焦りました。

また、オリンピックを前に今よりも人手不足の時代だったので、私もネコ(生コン運搬二輪車)を押していました。コンクリートの打設では、ポンプ車がまだない時代なので、工事用のコンクリート運搬用タワーのダブルウィンチの運転手もやりました。現在では資格なしで、こんな運転などしていたら、とんでもないと思われるでしょうが、当時はとにかく何でもやりました。作業員も所長も職人も全員で施工作業に当たっていた時代です。

作業所長がネコを押して、コンクリートを打つ姿は珍しくありませんでした。当時の所長はみんな、職人がやることを一緒になってやっていたものです。今では想像もできないかもしれませんが。

次のページゼネコン男性はモテた
123»
  • この記事をシェアする145
  • この記事をツイートする6
この記事のコメントを見る1
こちらも合わせてどうぞ!
76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(前編)
76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(前編)
竹中工務店の元総括作業所長が「旧山口萬吉邸」工事を統括 高度経済成長とともに竹中工務店で活躍した髙淵弘幸氏は現在76歳だが、現役バリバリだ。 竹中工務店の作業所長、総括作業所長として順調に昇格し、「パレスサイドビル」「サ...
「おっさん」を使いこなせ!建設女子が現場で生き抜く1つの方法
「おっさん」を使いこなせ!建設女子が現場で生き抜く1つの方法
施工管理歴12年目のチビッコ建設女子 私は、建築学校を出たワケでもなく、親族会社を引き継いだワケでもない、ズブの素人から建築の現場管理の仕事に就いている女性です。何だかんだ今年で施工管理歴12年目に突入。 身長は152c...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
作業の「ムダ」を解析し、工事費30%減。「勇気ある経営大賞」を受賞した丸高工業
作業の「ムダ」を解析し、工事費30%減。「勇気ある経営大賞」を受賞した丸高工業
建設業界初、「勇気ある経営大賞」を受賞した丸高工業 東京商工会議所が主催する第15回「勇気ある経営大賞」に、建設業界からはじめて、丸高工業(東京都品川区)が選ばれた。耐震・改修の設計、施工などを手がける丸高工業は、建設業...
建築現場のムダ、課題、将来とは? 志手教授(芝浦工業大学)と中島CEO(CONCORE’S社)が語る
建築現場のムダ、課題、将来とは? 志手教授(芝浦工業大学)と中島CEO(CONCORE’S社)が語る
芝浦工業大学の志手教授と、CONCORE’Sの中島CEOにインタビュー 日本建築学会の著作賞を受賞したばかりの芝浦工業大学建築学部建築学科教授・志手一哉氏と、同氏がアドバイザー役を務めているCONCORE’S株式会社・中...
20代施工管理技士の転職活動。優秀な技術者がゼネコンから流出する理由とは?
20代施工管理技士の転職活動。優秀な技術者がゼネコンから流出する理由とは?
ゼネコンを入社後3ヶ月で退職したくなる理由 私は大学卒業後、地元に帰ってゼネコンに就職した20代の施工管理技士だ。なぜ今の会社に就職したかと言えば、給料や休日の面、離職率の低さなどが挙げられる。一番の入社理由は、母校の大...

この記事を書いた人

長井 雄一朗
この著者の他の記事を見る
建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(後編) 76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(後編)

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(後編)
  • 施工の神様
  • 技術を知る
  • 76歳現役、竹中工務店の元総括作業所長が語る「名作建築の現場」(後編)

関連キーワード

  • 建築
  • 施工管理
  • 竹中工務店

コメント(1)

コメントフォームへ
  • - 2023/05/21 3:39

    私は型わく大工で今74歳で現役で働いてます、
    内容が良く理解出来ます
    私も仕事大好き必然的に良い仕事に邁進出来ます。
    親子三人型枠大工でもちろん竹中工務店下請け会社で働いてます°

    返信する 通報する

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様