コンクリート打設の難しさを発注者にも理解してほしい
坂田は、QC活動によってコンクリート打設の難しさを一層痛感していた。だが、その難しさを発注者に理解してもらうことは大変な作業だった。
しかし、手をこまねいていても先には進まない。「どうにか、コンクリート打設に掛かるあらゆるコストを数値化してデータベース化できないか」。
熊本県建設業協会青年部で運営専務という肩書も持つ坂田は、九州各県の青年部が集う九州建設青年会議の協力のもと、7~9月の夏季現場を対象に施工規模、打設時間・人数などはもちろん、休憩時間などの細かい数字も盛り込んだ500件以上の現場のサンプルをまとめ、九州地方整備局に提出した。「夏場のコンクリート打設に、いかに苦労しているのかをわかってほしい」との思いだった。
「サンプルを集計すると、いかにQC活動にコストが掛かっているかが表に出ます。これは、建設産業の高齢化、職人不足と同義だと思います。この実情が積算に反映されれば、従業員の給料に上乗せすることもできます。
今後は、このサンプルを県・市町村へ波及することも視野に入れ、地域の建設産業を残すための手立ての一つとして考えています」(坂田)
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品質をコストのバランスをどうとるか、これを一番考えなければいけないのは、実は発注者なのではと思います。