砂防畑からマスタープランづくりの責任者に
――下関市役所ではどういうお仕事を?
佐々木 道路や景観など都市計画を作ったり、バスや鉄道などの公共交通の支援などを行なっています。あとは、公園整備とか市街地開発、建築指導も担当しています。
――下関市のまちづくりの現状はどうなっていますか?
佐々木 下関市でも人口減少が進んでいます。合併後、市の人口は約30万人でしたが、今は25万人程度まで減っています。まちの中心部などでは空き家も増えています。
――まちの再開発が進んでいない?
佐々木 そうですね。海に面したロケーションの良いところを含め、中心市街地には老朽化した家屋が密集した場所が残っています。道路が狭いのも、なかなか建て替えが進まない要因になっています。
老朽化した家屋の建て替え問題には、市としても力を入れて取り組んでいる施策の一つです。
――今後のまちづくりの方向性としては、やはりコンパクトシティですか?
佐々木 そうですね。今、立地適正化計画を策定中で、コンパクトシティとして、まちのインフラを集約化していくことにしています。市のマスタープランについても、2019年度から改定に向けて取り組んでいく予定です。
――都市計画を担当するのは初めてですか?
佐々木 そうです。
――現時点で、「こうしよう!」というお考えはありますか?
佐々木 具体的な施策はこれからですが、「まちの中心部をなんとか活性化させたい」という思いがあります。
下関市は、北九州市や福岡市という大きなまちに近いので、その利点を活かして、もっと若い世代に住んでもらいたいと考えています。
――お住いは?
佐々木 福岡市内です。新幹線通勤しています。
――福岡在住の人間として、下関市のまちづくりをどう見ていますか?
佐々木 下関市には、もっと観光客を呼び込めるポテンシャルがあると思っています。私自身、下関市で働くまでは、下関市の魅力を良く知りませんでした。
ですが、実際に足を運んでみないとわからない、歴史ある観光スポットやグルメなどがあることに気づきました。
忖度発言もあった「下関北九州道路」は必要
――下関市北九州道路も担当されていますが、この道路は必要だとお考えですか?
佐々木 はい。下関北九州道路は、既存の関門橋、関門トンネルの代替ルートを確保し、下関市と北九州市の経済交流、観光振興などを目的として、国に早期実現を要望しているところです。観光客誘致もそこに入っています。
関門海峡にある既存の2ルートは、老朽化が進んでいます。メンテナンスをすれば使い続けることはできますが、大規模な改修になると、物流の大動脈に影響が出ます。
2018年の西日本豪雨では、通行止めより大渋滞が発生し、市民生活や経済活動に支障が出ました。何か災害があったときに、本州と九州を結ぶルートが2つだけでは、国民生活の安心安全を守れないと考えています。
下関北九州道路の意義、役割は大きいと感じています。
――下関市として、道路実現に向けてどう取り組んでいくお考えですか?
佐々木 地元2県2市で構成される調査検討会では、PFI的な民間の資金、技術を活用した整備手法について議論しました。税金だけで建設するのではなく、官民連携で建設するという視点です。官民が一丸となって道路建設を進めていく必要があると考えています。
――下関市の施策として、官民連携の事例はありますか?
佐々木 現時点では都市整備部にはありませんが、都市公園内にある市の総合体育館を建て替える計画がありまして、PFI事業としてできないかこれから検討する話になっています。
都市公園についても、Park-PFIなどを適用可能なものがあれば、進めていきたいとは思っています。
砂防やりたい→じゃあ国交省に入ろうで実際に入っちゃうのがすごい
めちゃくちゃ優秀なんだろうな