日本より遅れているイギリス建設業界の女性活躍
建設業界にとって、女性は労働力不足を解決可能な未開拓のリソースだ。
イギリスでは、建設業界の労働力のうち女性が占める割合はわずか12%しかない(日本は17.7%)。キアーの調査によると、建設業界はいまだに「肉体労働」で「アカデミックでない」と誤解されている。
デーヴィス氏は「女性が興味を持つような業界にならなければなりません」と話す。
「弊社全体での女性の割合は17%ですが、この割合は若い世代ではずっと大きくなります。若い世代は、より多くの女性社員と仕事をしています。弊社は、より安全で、よりクリーンに、女性にとってより魅力的な職場となるよう企業文化を向上させてきました」。
キアーグループは、業界内のジェンダーの平等を促進するためのイニシアチブであるBalanced Business Network(BBN)やGender Strategy Groupなどを立ち上げている。
キアーグループで人事初期キャリアプロジェクトマネージャーのレベッカ・ヘプティンストール氏は「弊社のGender Strategy Groupはシニアリーダーで構成されており、ジェンダーの平等向上を実現するためのビジネス推進力のプロフィール、認知度、理解を向上させることを目的としています」と話す。
「BBNは当初、キアーのスタッフが弊社のビジネス全体において、女性、とりわけ第一線の専門職に就いている女性に公平な機会を提供することを目指して始めたものでした。そうした職務に就く数少ない女性として、私たちは女性が直面する課題を理解し、キアーをよりインクルーシブな職場にするための措置を講じたいと考えました」。
建設業は肉体労働だけではない
住宅が存在するためには、それらをデザインし、設計し、構築するデザイナーやエンジニア、施工者の業界が必要だ。そして、これらの業界には人材が必要だ。
キアーグループの1%公約のような積極的なイニシアチブは、これらの問題の根本的原因についての認知を高め、解決に向けた取り組みを可能にする。
この分野のリーダーが教育機関やコミュニティと接触して、この動きに続けば、こうした取り組みによりギャップを埋め、より多くの若い技能労働者を建設業界に引き込めるようになるかもしれない。
建設業には力仕事と肉体労働が伴うことは事実だ。だが、エンジニアリングやデザインに取り組む機会も非常に多い。切実に求められているインフラの構築に役立つBIMテクノロジーを扱うこともできるのだ。
建設業界は多様化が進んでいる。テクノロジーによって建設業界の様相は変貌しつつあり、業界リーダーの支援によって、こうした変化がますます注目されるようになっている。
急にオシャレになってびっくりした!
イギリスも日本と同じような人手不足や社会の誤認に悩まされているとは知りませんでした。てっきり日本だけの問題かと。海外事例から国内に応用できる施策があれば良いですね。