前例のない「業界展望を考える若手技術者の会」(若手の会)の立ち上げ
本社に異動後、伊藤さんは社命で建設コンサルタンツ協会の総務委員会にも参加するようになっていた。
建設コンサルタンツ協会では、加盟企業の経営層たちが建設コンサルタント業界の未来について真剣に議論していた。それを見た伊藤さんは「業界の将来を担うのは若手世代。50~60代だけでなく、若手世代自らが明るい未来を思い描き、その実現に向けて今から行動すべきではないか」と危機感を覚えた。
その際、ヒントになったのが、土木学会の将来ビジョン特別小委員会だった。伊藤さんは同会にも会社を通じて所属しており、ゼネコンや国交省の若手技術者たちが集まる議論に参加した経験があった。「建設コンサルタンツ協会でも若手が集まったら、もっと建コン業界に特化した、純度の高い刺激的な団体を作れる」と思いついた。
そこで企画したのが、建設コンサルタンツ協会の内部における「業界展望を考える若手技術者の会」(通称:若手の会)の立ち上げだった。
しかし、当時(2014年4月)の建設コンサルタンツ協会には、若手のネットワークは皆無だった。そもそも若手が協会活動に参加していなかった。若手の会を設立するために、総務委員会を通じて嘆願書を提出しても「若手が集まって何の成果あるの?」「前例がないし、何がしたいの?」と拒まれた。
それでも、伊藤さんはしつこく作りたいと訴え続け、1年後(2015年4月)にようやく設立にこぎつけた。その間、ずっと一人での活動だった。
しかし、伊藤さんは「どんなに文句を言われても、協会の内部組織として設立する」ことにこだわった。なぜなら「協会のお墨付きをもらえば、協会経由で会員企業から選りすぐりの優秀な若手メンバーを集められる」と考えたからだ。
案の定、協会からメンバーの公募が出されると、全国の会員企業から若手メンバーが30名ほど集まった。「仲間集めは協会の力を使った。しかも各社のエース級ばかりを集めてもらった」。
そして2015年4月、「業界展望を考える若手技術者の会」(通称:若手の会)が正式に始動した。
「みんな、この業界を変えたいと悶々としていた。でも、その変化の一歩を踏み出させないでいただけだと分かった」。
建設コンサルタンツ協会 若手の会の活動内容
これまでの、若手の会の主な活動内容は下記の通りである。
- 建設コンサルタント協会の全国9支部すべてに若手組織を設立
- 「建コン業界の30年後ビジョン」の策定
- 「若手から業界へ10の提案と要望」を建設コンサルタント協会へ提言
- 「全国の若手技術者交流会」の開催
- 「建コンアカデミア」(経営者との座談会)の開催
- 「異業種企業勉強会」(働き方アイデアソン等)の開催
- 「土木学生とのJOBカフェ」の開催
- 「魂のメルマガ」を月2回配信
- テーマソング「MOVEMENT」の制作
- リクナビ主催「GoodAction Award 2017」を受賞
- Webサイト「Kenconnect」の制作
- オンラインサロン「建コンアップデート研究所(仮)」の運営
若手の会は、受け身の組織ではない。立ち上げの経緯や対外活動の多さが、それを物語っている。そして、「提言するだけで終わる組織」とも一線を画す。
「会議室にこもっているのは若手らしくないし、問題提起だけなら誰でもできる。問題を解決するために実行し、ムーブメントを起こしたい。そのためには、具体的に業界や会社を変えていくアクションをしなければいけない」。
実際、若手の会に参加するメンバーたちは、働き方の先進企業であるサイボウズなど、異業種との交流で得たメソッドを所属企業に持ち帰り、自社に変革をもたらし始めている。
- A社:リモートワーク、服装自由化、働き方の多様(選択肢を増やす)
- B社:ワークフローの電子承認化、生産性の向上(ムダの排除)
- C社:社内働き方ワーキングを設立、全社的なムーブメントに拡大
- D社:企業内若手有志組織の設立、タテ・ヨコ・ナナメの交流
2018年10〜12月には、働き方先進企業のサイボウズから働き方改革に関するサポートを受け、今年9月からはGoogleの「Grow with Google」(デジタルスキルトレーニングプログラム)のパートナーとして、生産性の高い働き方を目指す。
テーマソング「MOVEMENT」のタイトルは「業界を活性させる一大ムーブメントを興す」からとった。
マジで共感。自分たちの会社を実際に変え始めているというのが実に凄いと思いました。簡単そうで難しい。私も某学会に所属していますが熱意、行動力が違いますね。本当に業界全体の雰囲気を変えていってほしいです。
共感いただきありがとうございます!
会社から個へとパワーシフトしている今だからこそ、個が集合体となれば会社も変えていけるはずですね!リアルにそう実感しております!!
コンサルじゃなくても若手の会は参加できるのでしょうか?
若手の会は建コン企業限定だけど、別途無理オンラインサロンの建コンアップデート研究所を立ち上げています。
ぜひ、申し込みください!!
逆に考えると、この方が立ち上がらなかったら建コン業界はずっと何も変わらないままだったのかもしれないんですね。
業界は違いますが、同じ若手として頑張ってほしいです。
タイミングがよかったのです。
会社から個へパワーシフトしている中、業界も会社も無視できないんです。
これからもっと加速するはずです!!
チャらそうに見えてめちゃくちゃ頭いいタイプの人だな
チャラそうですよねー笑笑。
今の会社で服装自由化したからですよ!
頭いいというか、一歩踏み出すことにこだわってるだけですよー!!
魅力しか伝えちゃダメみたいな暗黙の圧力
↑
凄く分かります。
どことは言いませんけど、きれいごとばかりですよね。
ぜひ上っ面の人たちの鼻っぱしをひんまげてやってください。
活動に注視していきたいと思います。
ありがとうございます!
いくら闇を隠そうと思ってもムダですよね。というか、光だけの世界なんてなくて闇があるから光が映えるはず。
光と闇のリアルを感じ取ってもらうことこそが共感を呼ぶのだと信じています!!
出過ぎだ杭、出過ぎたら斬られるのよね〰️笑笑
だよねー笑
私もどこかで斬られるかもです笑笑
大体のそうゆう人は現場内の事なんて知らずに口達者が多いけど分かってんの??って言いたい。
わからんだろーけどね笑
一人で何かを成せるわけはなく、同じ熱量持った仲間と一緒にアクションしてますー!!
口だけの無能がでしゃばる業界、建設コンサルwww。
リクナビに表彰されたら批判が減ったは笑った
手のひら返した人も多そう
対外的に評価されることはインパクトありますね!特に閉鎖的な業界ではその効果は大きい。
まさにブランディング効果です!!
日建連をどうにかしてほしい。業界団体もおかしい。大手中心主義はやめてほしい。大手を支えているのは誰なのか現実を知ってほしい。この業界に長くいるほどおかしい事に慣れていく。他業種へ転職するしかない。どうにかしたい。問題はどこにあるのか。
ゼネコン若手より、建コン若手の方が現状に危機感を持ってますね。やはり業界規模、業界体力が圧倒的に違いますから、余力があるんだと。あと、ゼネコンは業績良いから今のままで生き延びられると思っている人が多いのではないですかね?たぶん。でも、業界、会社が変わらないと嘆いても時間がもったいないだけなのでいかに自分をアップデートするかを考えた方が得策の気がします!!
業界団体がおかしいと思うなら、新しい業界団体を作ってもいいかもしれませんね。
結局規模の大きい団体が少ないから、競争にならなくておかしくても変わらないと言う。
複数団体が切磋琢磨するのが理想的な状態かなと。
自分の会社のビックデーターを活用している点に強く共感いたしました。私は震災で建築・プラントから土木施工管理に転職しました。転職して土木は無理・無駄・ムラがほかの多業種に比べて多いような気がします。
クリティカルシンキングとは無縁ですし、何よりも日本人の生命・財産守る仕事ですから。もっと現場出て工事報告書ぐらい当日に出来ない人間が多いような気がします。
もっとかき回してほしいですね応援しとる
古臭い業界こそスクラップアンドビルドすべき
個人的な思いは、これまでのものを大切にしつつ最新のものに更新する=アップデートしたい。
大石久和先生が提唱されている国土学の思想に立脚しております!!
昨今の建設コンサルタント業界が変わりつつあるのは感じていますが、業界外から来た身としては、地方ほど業界の習わしが残っているようにも感じますし、社外の人(発注者以外)と会う機会が少なく、社内ルールに囚われている若手も多いように感じます。
そうした現状を打破できるよう頑張っていきましょう!
今は気になることは、外国人技術者と海外における建設コンサルタント業です。
中国地方の30代技術者
>上司は放任主義だったので、新人なのに一人で役人との打ち合わせに行かされ
生意気なので放置されたんでしょう
邪魔されて潰されないだけラッキーだったですね ^ ^