道路をつくる人間は、社会から一生必要とされる
――土木の魅力、首都高速道路のやりがいは?
三村さん 土木の魅力は、自己満足だけでは仕事にならないところですね。「他人から評価してもらってナンボの世界」だということです。実際の仕事では、叱られることが多くて、ホメられることは少ないのですが、だからこそ、たまにホメられるとスゴイ嬉しい。「よし、またがんばろう」という気持ちになりますし、それが仕事のやりがいにもなります。
私は道路の仕事がやりたくてウチの会社に入ったわけですが、人って、移動しないでは生きていけないじゃないですか。道路は人が生活する上で、絶対に必要なインフラだと思っているので、道路をつくる人間は、社会から一生必要とされ、喜んでもらえる存在だとすら考えています。それが私にとっての土木であり、今の仕事ですね。
――徳田さんはどうですか。
徳田さん 「ないと困るもの」に関わるのが、土木の魅力だと思います。土木を知る前は、道とかあって当たり前だし、道がないという発想そのものがありませんでしたが、今は、道は誰かがつくって管理しているからある、ということをスゴく感じています。
今の自分にとって、それがないと、みんなが困るものにひっそりと関わっていることが、やりがいになっています。
――ひっそり?
徳田さん 「首都高は私が管理しています!」と大々的に言えないじゃないですか(笑)。別に目立ってなにかをやるわけではないし、夜の交通量の少ないときに工事をしているぐらいなので、首都高速道路の社員が何をやっているのか、一般には知られていないと思います。
高校時代の文系の友達に「首都高速道路で働いている」と言っても、「それってなにしてるの?」って言われるんですけど(笑)。ただ、大学の後輩に会うと、「おいでおいで」と言っています(笑)。
――誘ってる?
徳田さん 誘ってます。私にとって、首都高速道路の魅力は、土木以外の仕事もできるところなんです。長く仕事を続けるためには、多角的な視点を持つことが必要だと考えています。それは後輩にも言っています。入ってくれるかどうかはわかりませんが(笑)。
――ワークライフバランスについて、どう考えていますか?
徳田さん 仕事はずっと続けていくつもりですけど、結婚、出産はどうしても考えるところではあるので、それも含めて、漠然とではありますが、実家に近いところで働いている感じですね。とりあえず、今は仕事に没頭していることが多いですけど。
三村さん ずっと同じスタンスでいる必要はないからね。「今は仕事に軸足」「今は子どもに軸足」という感じで、変えながらやっていけるんで。むしろ「これじゃなくちゃダメ」って思わないほうが、うまくやっていけると思う。
この世に車がある限り、首都高速は必要なインフラ
――最後に、若い人向けに首都高速道路のPRを。
三村さん 若い社員がウチの会社を選ぶ一番の理由は、転勤がないことです。しかも都心部で仕事ができるのも大きいようです。お給料もそれなりでだし、勤怠管理、福利厚生もしっかりしていると思います。育休産休も当然とれますし、とらないで仕事することもできます。その辺は自分でデザインできます。
ただ、部署にもよりますが、自然災害などが起こると、プライベートがすべて吹っ飛ぶことがあります。例えば、今年9月に台風が来ましたが、神奈川線の一部が水に浸かった影響で、神奈川の社員は3日にわたり緊急体制になりました。こうなると、その日にデートの予定があろうが、子どもの発表会があろうが、全部吹っ飛んでしまいます。
「それはムリ」と言う人は厳しいでしょうけど、「それもしょうがない」と思える人であれば、やりがいのある職場になると思います。この世の中に車がある限り、首都高速は必要なインフラです。「自分の仕事が社会や人のために役に立っている」ということを実感できると思います。ウチは常に期待されている会社なので、やることはいくらでもあります。
――土木技術者は毎年採用しているんですよね。
三村さん してます。むしろ今はウチに限らず、どこの会社でも女性の土木技術者はウェルカムなんです。どこも「ウチの会社には女性がいます」と宣伝したがっているところがあります。
ただ、そのおかげでウチに女性が来なくなっているような気がします(笑)。
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