人手不足は「建設業のイメージが悪いから」ではない
――ところで、デミーとマツの活動も3年以上続いていますね。
松永さん デミマツの活動は、「土木のイメージが悪いから、これを変えよう」ということで始めたわけではありません。今の若い人には、土木、建設業界に対するイメージそのものがないんです。良くも悪くもない。ただ関心がないんです。デミマツの活動は「土木を知ってもらうため」に始めたんです。

第2回 デミーとマツの土木体験イベント(田中工業、2017.6.10、松永昭吾撮影)
最近の子どもたちには、Youtuberが非常に人気です。なぜ人気があるのかと言えば、誰でもネットで見られるからです。女の子にとって、人気の職業がいまだケーキ屋さんやお花屋さんなのは、ふだん目にしているからです。
でも、最近はインフラがある程度整備され、土木工事が減っているので、日常生活の中で土木の仕事をみる機会はかなり減っています。災害でもない限り、「土木のありがたみ」をTVや新聞で知る機会もないでしょう。
ただ、土木の仕事を実際に目で見ると、「スゴイね、かっこいいね」と思う人は多いと思うんです。一番見る機会がある土木の仕事は、道路の工事ですよね。だから、土木のイメージは道路工事のイメージです。道路の工事が各所でその価値と使命を伝えることができるなら、土木のイメージはかなり良くなると思います。
――「土木のイメージが悪いことから建設業に若い人が就職してくれない」という話を耳にします。何かアドバイスは?
松永さん 採用募集しても応募してくれないというのは確かに耳にします。子供が減ってますから、その影響は大きいでしょうしね。
しかし、建設業に人が来ない理由は、「イメージが悪いから」なんでしょうかね? 本気で人材を獲得したいと努力していない一部の建設業者の言い訳かもしれない。
私も中小の建設会社とお付き合いしていますが、意識の高い会社にはちゃんと人が来てますよ。

第19回 デミーとマツの土木体験イベント(旭建設、北方学園中等部、2019.6.25、松永昭吾撮影)
――人がこないのは建設会社の努力不足だということですか?
松永さん もちろん、少子高齢化や過疎化の影響は大きいです。しかし、「若い人がきてくれない」となげく会社に限ってPR不足、PR下手な会社が多いように感じています。他の会社より上手くPRできていない。
地域差はありますが、業界内の会合に出て、発注者に対してしっかり営業活動していれば、小さいながらも仕事はそれなりにとれると思います。だから土木・建設業界は、積極的にPRしなくてよい業界だったと思います。
しかし、これからは、限られた数の学生たちが、たくさんある仕事から一つを選択するのですから、魅力を感じる業界や会社に就職するわけです。
最近は、地元に残って、あるいは戻って暮らしたいという学生が増えたとも聞いていますのでこれは追い風です。ですから、営業活動とは別の努力が必要で、その努力がまったく足りてないと思います。
「人が来ない」と嘆く社長は、笑顔がぎこちない
――人材不足は死活問題です。具体的にはどうしたらいいですか?
松永さん イメージが悪いとか、それは政治やマスコミが悪いとか、そういうのは置いといて、まずは自分ができる努力をするべきです。
例えば、地域の学校まわりをして先生たちとのパイプをがっちりもっておくとか、目に見える形で地域に貢献しておくとか。村祭りや花火大会のスポンサーではなかなか若い人たちの記憶にはのこらないと思います。
学生たちやその親たち、先生方に対して、なぜわが社が地域に必要なのか、地域の安全や安心のためにどのような仕事をしているのか、その会社の使命や価値を明確にわかりやすく、誇りをもって説明できることも大事です。そして、それを学校や地域のイベントなどで発信して欲しい。

第21回 デミーとマツの土木体験イベント(ガイアテック 2019.8.10、松永昭吾提供)
子ども向けの土木体験イベントを地域の現場で年に1回でもよいので開催するのも効果があると思います。会社の中にデミーとマツをつくるのをお勧めします(笑)。
デミーとマツはそれを応援します。人が来ないと嘆く建設会社の社長は、政治家や行政、業界新聞としか情報交換していないので、笑顔もぎこちない。
「あの会社に入りたい、あの社長の下で働きたい」という魅力をもっともっと高めて欲しいです。社長さん、社員さんの素敵な笑顔はきっと学生たちにも魅力的にうつると思います。
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施工は出来るけど、それ以外が下手なのが建設業界。
改革のタイミングが悪いと言うけれど、対案は出していない。いつなら適切だったのでしょうか?
「今ではない、今ではない」とズルズル先送りにしてきた結果が現状だろと思いますけどね。
今の時代、腰の重さは命とりですよ。
働き方改革を民間に任せて進むわけないじゃん。政府が旗振りしなかったら話題にもならないよ。時短を働き方改革と思ってるのがおかしい。やった分しっかり払わせれば良いんだよ。勝手に効率化されていくから。金払いたくない社長は笑顔がぎこちなくなるんだろうね。
働き方改革がなければいつまでたっても変えようとしなかったでしょうに。規則と罰則があるから、その中でいかに効率よくこれまでと同じ業務を行えるかを考えるのが働き方改革の芯。若いうちにとは言いますが、どれだけ技術をつけて年齢を重ねても使い捨てのボロ雑巾のように扱われる現状があります。そこを変えるためには強制力が必要です。ただでさえ業務外に資格取得を過剰に求められる業界なんですから。
業務として高品質なものを作るというのは前提で、それ以上のやりがいとか志とかいりません。土木が好きな人はやりがいを求めるのでしょうが、そんな人は少ないのが現実ですから。
無駄な飲み会で数十万使うよりも、ちゃんと業務に見合った給与を与えれば人は来ますし、社員が紹介で連れて来ますよ。
10代20代で技術を身につけなければ先がないって、それじゃ建設業自体が既に詰んでる状態だね。
30代後半で大工や左官になった知り合いがいるが普通に働いてるよ。
もうさ、その昭和で止まったままの自分らに都合のいい考え方を改めたら?そんな余裕は建設業にはない。
若いのがこない理由は3kならぬ5k。これだけ。他の理由は些細なことだ。
いい加減理解しろ。
5kは新しい単語。
知りたいね
はいはい。土木技術者の僕がきましたよ~。
若い人達に土木のイメージが悪くなるのは当たり前です。
我々40代、50代の土木技術者がどれほどの苦労をしているか。わざわざ可愛い我が子に苦労して休みなしで給料の安い土木技術者になってもらおうとは思いません。「建設業なんかするな!!」と建設技術者のみなさんは教えているでしょう。いつまでたってもこの業界は役人天国です。
一部の企業だけでしょう働き方改革なんて言葉が聞けるのは、小企業、零細企業なんかは戦後の高度経済成長期の働き方となんら変わりません。24時間働けますか?ってなもんです。それでいてお給料が低いんですからやってられません。
みなさんが言うように3K5Kです。
建設業業界は近い将来外国人労働者だらけになると思います。
それも入れ代わり立ち代わりの、日本の技術を身に着けた外国人はすぐにお国へ帰って国の発展のために働くでしょうね。
他業界の労災を語るのですか。最低限、オリンピック関連で建設業界がやらかした事を槍玉にあげるべきでしょう?他にもいくらでもありますけどね。尤も、その前提でこの記事に説得力を持たせられるか分かりませんが。
是非とも松永さんには、完全週休2+平均残業20未満で若者達に技能を習得させる生き方改革を実現していただきたいですね。広告についても仰っていましたが、これが実現できれば若者も沢山集まりますよ笑
私もこの業界で働いているが、まだまだ下品で古くて頭の硬いのがいっぱいいる。出勤日数も多いし、特に収入も多くない。移動も多いし身体もきつい。
今は選択肢が沢山ある。若手も少なく売り手市場。わざわざキツくて休みの少ない職種は選ばないと思う。
多重請負構図の末路だな。