「現場監督をしたい」から建設事務所に異動
――最初の配属先は?
横沢 大学の研究室でリサイクルをやっていたので、入庁後、「環境をやりたい」という希望を書いたら、下水道局の北部建設事務所(当時)へ配属になりました。管きょ再構築の設計・発注を担当しました。
東京都は当時から下水道の普及率はほぼ100%でしたが、古い管きょの更新が課題になっていました。そこに2年ほどいて、本庁の下水処理場などの設計する部署に異動し、4年間いました。
――建設局に来たのは?
横沢 東京都では主任になったタイミングで、局が変わる人事制度があるので、主任になって下水道局から建設局に異動しました。
建設局では、道路事業化に伴う認可取得の調整などを行う部署に配属されました。地元の方々とお話する機会が増えましたね。そこに3年いた後、大塚の第四建設事務所に行って、積算・発注業務を担当しました。
その後、「現場監督をしたい」という希望を出して、品川の第二建設事務所に異動して現場監督をやりました。4年前に今の部署に来ています。
――「現場監督をしたい」というのはどういう理由?
横沢 設計・積算だけだと、実際にものをつくるイメージがなかなかできないので、現場を見たいと思ったからです。自分で設計しても、現場で設計変更されるので、その違いを実際に見たかったというものありました。
――「ものづくり」への思いがあった?
横沢 そうですね。生でじっくり見てみたいという思いがありましたね。
――現場監督としてはどのような現場を?
横沢 道路、橋梁など何本か担当しました。現場監督は体力的にキツイ面がありましたが、机上で設計するのと現場とでは、やはり全然違いましたね。現場を見れて良かったです。
ただ、設計から現場まで一連で担当したことはありません。一つ一つの仕事が大きいので、どうしても部分的に担当するカタチになります。ただ、事業認可をとる部分の仕事は、面白かったですね。
――今の担当は?
横沢 京王線(笹塚駅〜仙川駅間)の連続立体交差事業の調整を担当しています。事業規模が大きいので、非常に面白みがありますし、鉄道会社と一緒にやっていくのがちょっと特殊で、それも面白いところですね。
――どういった事業ですか?
横沢 東京都が事業主体となって、既存の線路の隣に新たに用地を取得して鉄道の高架化や側道整備を行うもので、鉄道部分の工事は鉄道会社、側道工事は都や世田谷区などがそれぞれ行っています。踏切での道路渋滞緩和が目的です。京王線は私を含めて3名体制で担当しています。事業は2022年度完了予定で進めています。
京王線の連続立体交差事業は、事業費は約1800億円、事業区間が7.2km、25箇所の踏切を撤去する事業で、事業規模、事業効果の大きな事業だと思っています。