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“施工管理技士のサッカー選手”になるために、現場とピッチを駆け巡るルーキー技術者の奮闘

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公開日:2020.03.06 / 最終更新日:2021.09.15
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運命の出会い、建設会社からのスカウト

帰国後は、いくつかのJ2とJ3のクラブのセレクションを受験した。だが、全国から集まった猛者80人が受験し、合格者は1人だけというシビアな世界。合格通知を受け取ることはなかった。

さしあたって、目の前の生活のためにも働かなければならない。ひとまず学生時代にアルバイトしていた焼肉店に戻ることにしたのだが、この選択がある出会いを生む。

ある日、キッチンで調理中のこと。目の前に家族連れの客がいた。子ども好きの新藤さんは、その家族の子ども二人と仕事の合間を見ては遊んでいた。

すると、この家族の帰り際、父親から声を掛けられた。

「少しお話良いですか?」

絶対にクレームだ、と恐れおののきながら向かってみると、「名前と電話番号を教えて」とだけ伝えられた。

見ず知らずの男性に個人情報を教えるなんて、とも思ったが、店は金曜日の夜で忙しく、早く終わらせてしまおうと考えた結果、紙に名前と電話番号を書いて渡してしまった。

翌週。月曜日にその男性から連絡があった。

「もしよかったら、会社見学に来ませんか?」

この男性は、大手企業のオフィス設計や内装施工などを手掛ける建設会社の経営者だった。新藤さんの働きぶりと、コミュニケーション能力を評価したのだろう。「君を営業職として迎え入れたい」という話だった。ドラマのようなスカウトだった。

サッカーを続けるにはお金が掛かる。今のようなバイト生活では、金銭面での負担も大きい。サッカーができなければ本末転倒だ。しかも、聞けば土日は必ず休みで、完全週休二日制だという。それならサッカーも続けられる。

新藤さんは、二つ返事で入社。初めて正社員として働く世界は、期せずして建設業界となった。

「ようやく腰を落ち着かせ、サッカーに専念できる」

はずだった。

初の正社員は、60連勤の超ブラック企業

入社した内装会社は、”超”が付くほどのブラック企業だった。

土日は休みだと聞いていた。が、蓋を開けてみると休日は一切なかった。営業職で入社したはずだったのに、休日は現場に駆り出され、作業員としての仕事も並行してこなした。

来る日も来る日も仕事、仕事、仕事…。気付けば、入社から60連勤に達していた。

サッカーで鍛えた体力と根性で、業務自体はなんとか乗り切ることができた。ただ、それよりも大好きなサッカーに掛ける時間がまったく取れなくなったことが、ツラくて仕方なかった。

入社から60連勤目、ちょうど2ヶ月が経ったとき。サッカーをやるために、会社を辞めた。

とはいえ、金はない。そこで、友人の紹介で派遣会社に入社。業務はスマホ決済アプリの飛び込み営業。「〇〇Payを置いてくれませんか?」と飲食店のドアをノックし続けた。

地獄の60連勤に比べれば業務は微塵も苦ではなかった。だが、タイミングが悪いことに今度はこの派遣会社のスマホ決済営業の事業自体が無くなってしまい、またもや入社から2ヵ月で職を失ってしまった。

またしてもサッカーを続ける道が途絶えかけたが、偶然にもこの派遣会社のグループに建設技術者の派遣を専門とする会社があった。業界未経験からでも現場監督として中長期でキャリアアップができる、前職での経験が活かせるのではないかと、転籍を勧められた。

建設業界と聞き、前職での経験が頭をよぎった。「建設業界って、やっぱりこんなとこなんだ」。 辞めた当時は、 そんなことも思った。それでも、サッカーしかしてこなかった自分が初めて正社員として働いた仕事。愛着もあった。

不安は相当大きかったが、意を決して転籍。派遣先企業は何の因果か、またしても内装施工会社だった。

サッカーを続けるために、彼は現場監督になった。

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コメント(1)

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  • - 2021/08/20 9:18

    夢のためにここまでできる人はなかなかいない。
    建設業界に残ってほしい気持ちもあるけど、
    サッカー一本でやっていけるまで成功することを願っています

    返信する 通報する

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