重量化が進む建材、増大する大工の負担
――大型パネルの開発の経緯は?
塩地 私は今から約20年前、三菱商事建材株式会社に在籍していたのですが、そのとき天然壁材「MOISS(モイス)」を開発しました。当時は家の高気密化に伴い、シックハウスという課題が浮上していたころです。
合板や石膏ボードを使うと、のりを多用します。そののりが揮発すると、家全体がシックハウスになってしまう。そこで、シックハウス対策への内部の壁材としてモイスを世に出しました。
市場からは、耐震や防火、遮音などを一気に解決するとして開発を継続してほしいという要請もあり、早稲田大学と基礎・用途研究を共同で行い、モイスを耐震構造壁として進化させることになるのですが、建材を成長・進化させると、重量化することに気が付いたんです。
開発当初、モイスは十数kgでしたが、気が付くと、厚みも大きさも増して30kgを超えていたんです。すると、モイスを現場に届けても、荷扱いする大工さんから「重い」という意見が出てくる。
ほかの建材も調べてみると同様に重量化しており、特にサッシが顕著だった。建材の重量化は、大工さんにとって大きな負担になっていたんです。
さらに、モイスの開発当時と現在を比べると、明らかに大工が高齢化しているだけでなく、大工の生産性も落ちています。
大工の1日の仕事のうち、住宅の加工・組立等の生産行為は約20%で、荷受け・荷下ろし、搬入された資材の開梱、現場の片づけ、清掃、採寸など非生産行為は約80%を占めます。特に、注目すべき点は、「採寸」で最も多くの時間を費やしていることが分かりました。現場で採寸が必要な理由は、図面と現場に誤差があり、図面のデータがそのまま使用できないからで、結果的に現場合わせが常態化し、生産性が落ちているのです。
この20年間で、建材の重量化、製品化が進展しましたが、一方、大工さんの生産性が下落してしている。これでは大工はしかるべき待遇を得られません。
――ほかの先進国では、どのように重量化に対応しているんでしょう?
塩地 建材の重量化に対して海外はどのようなケアがあるのか、2×4工法等の事例をもとに調べて見ると、ヨーロッパでは Cross Laminated Timber(CLT、クロス・ラミネイティド・ティンバー)という工法が開発され、厚型パネルによる施工に移行していることが分かりました。
最終的に、「建材が大型化すると、人力ではなく重機を使って施工するほかない」という考えにたどり着きました。重機を使って施工するのであれば、建材を複合化したほうが効率はいいわけですから、パネルの工業化がベストであるという結論に至り、大型パネルの開発に着手しました。
開発開始時はまだ三菱商事建材に在籍していたのですが、”三菱工法”と色がつくと普及に課題がある。そこで、大型パネルを生産できるミサワホーム株式会社を母体とするテクノエフアンドシー株式会社、パナソニックアーキスケルトンデザイン株式会社、YKK AP株式会社にお声がけし、三菱商事建材を含む4社の出資を受けて、2018年4月にウッドステーション株式会社を設立しました。
職人不足は深刻な問題です。
それを補う建築工法の一つとしてとても有用だと思います。
ただし在来工法も技術継承として残さなければならないです。
大工不足を招いたのは主にゼネコン又はそれらを見習い建て売り業者はたまた新生工務店等の請け負い単価の値下げが何よりの原因です。大工やその他の業種の職人と称する皆様口を揃えてリスクの割に単価が安過ぎてやる気にならん!長年職人をしてきた皆様は今更やめられないから出来るところまでやってるだけ、若い衆の育成など理不尽すぎて職人になれとは言えない!
私も大工ですが子供達には今は昔と違い職人は一番カス扱いされている職業だから他の仕事を進めます。
そもそも職人の醍醐味といえばやっぱり稼ぎがいい所でした。
今は何処よりも稼ぎがリスクの割に悪い最低の職業となりました。
職人を活気づけて増やしたいのなら20年前の単価に戻すべきです。
今でも客単価は前より高いはずなので一番儲かっているのは大元だけだと思います。
改善するべき所は沢山あります頭でっかちばかり集まって訳のわからん必要のない仕事ばかり増やして職人いじめをやめない限り職人のなり手は今後増えません。もっと職人と言う職業のいい所を理解して実行すればまた若い人達が集まってくることでしょう。
それから、現場監督達のマナーは最低です。言葉遣いも知らないし職人を小馬鹿にしている輩が多いですね!
マナー向上も必要だと思います。
職人の方がマナーがいい様にも思います。
長いコメントですがこれはほんの一部の内容です。
とにかく単価向上が鍵です。
ゼネコンにして地場の工務店にしても、ほとんどがどれだけ中抜きできるかのただのブローカーになりはてた。
末端の単価なんてかんがえてない。
自分がどれだけ中抜きしたかが自慢。