工務店の合理化と大工の技能は常にせめぎあう関係
――大型パネルによる施工メリットは?
塩地 通常、上棟の際は柱を一本ずつ立てながら、梁を合わせて組んでいきますが、出来上がった上棟は吹きさらしの中で棟が上がっています。われわれの大型パネルによる上棟は、組むと家がもう出来上がっている。大型パネルを重機で吊り、所定の場所に収めれば、完了です。断熱材やサッシも入っている状態で、暑さ寒さもしのげます。
また、大工さんは毎朝、道具箱を一杯つめたワゴン車で現場に行きますよね。ただ、昔は敷地が広く、駐車場もあって、そこに道具を置けましたが、今は狭小住宅が多く無理です。
そこでコンプレッサーを現場に仮置きしますが、これは非常に重い。朝はまず自分の道具の荷下ろしから始まるので、現場が始まる前から難易度の高い仕事に取り組むことになるわけです。
この上棟は玄関ドアを閉めるまでが作業で、道具箱を置いて帰ることもできる。そうすると毎朝の道具の荷下ろしから大工さんは解放され、負担になっている部分をケアしています。工期が短縮されることから近隣住民とのトラブルも大幅に減少します。
――上棟での時間も短縮され、非生産行為も減少していく中で、大工の価値はどこに求めるべきだと思いますか。
塩地 工務店の合理化と大工の技能は常にせめぎあう関係にありますが、内装まで工業化すれば、それこそ大工の職域を侵すことになる。そのため、内部造作については大工のセンスに任せています。
大工の仕事は今後、建具や床の構成といった内部造作に集約されると思います。業務範囲を拡大し、多能工化が求められるのではないでしょうか。
IoTにより工場生産
――大型パネルはどのように製造している?
塩地 ユーザーからデザイン、造形等をヒアリングし、受託加工しています。IoT技術を活用することで、設計図書通りの寸法で作成でき、採寸も高精度になります。また、建築図面を読み込み処理することで、組立・運搬まえ無駄を生まないサプライチェーンの最適化が実現できています。
――設立から約2年ですが手ごたえのほどは。
塩地 今、売り上げも階段状に増加し、お客様も工務店のほか、ハウスメーカー、一人親方、設計事務所、ビルダーなど多岐にわたります。中には、アポなしで通りすがりの大工さんが図面を持って本社に来て、発注したいと要請されることもあります。
販売でのこだわりは、値引きなしの「ワンプライス」。多く発注するから価格を値引くという対応をしておりません。誰にとっても平等なプラットフォームを意識しています。
そのため、FC(フランチャイズ)化する気も毛頭ありません。全員に開かれた製品でなければなりませんから。今後はまず、大型パネル生産の強化、生産エリアや能力の拡大につとめ、さらに輸送コスト削減のために拠点を増やす考えです。
2019年にはプレカット事業者を正会員とする「大型パネル生産パートナー会」を立ち上げ、現在、約100社近くが参画しているとともに、2019年に大型パネルがグッドデザイン賞を受賞したことを契機に、ユーザーを中心とした「みんなの会」もスタートしました。入会金・会費無料、法人・個人の区別なく、大型パネルに興味を抱く建築事業者の誰もが入会できるような組織で、工務店だけではなく、著名な建築家、学生など、約250名が入会しています。
職人不足は深刻な問題です。
それを補う建築工法の一つとしてとても有用だと思います。
ただし在来工法も技術継承として残さなければならないです。
大工不足を招いたのは主にゼネコン又はそれらを見習い建て売り業者はたまた新生工務店等の請け負い単価の値下げが何よりの原因です。大工やその他の業種の職人と称する皆様口を揃えてリスクの割に単価が安過ぎてやる気にならん!長年職人をしてきた皆様は今更やめられないから出来るところまでやってるだけ、若い衆の育成など理不尽すぎて職人になれとは言えない!
私も大工ですが子供達には今は昔と違い職人は一番カス扱いされている職業だから他の仕事を進めます。
そもそも職人の醍醐味といえばやっぱり稼ぎがいい所でした。
今は何処よりも稼ぎがリスクの割に悪い最低の職業となりました。
職人を活気づけて増やしたいのなら20年前の単価に戻すべきです。
今でも客単価は前より高いはずなので一番儲かっているのは大元だけだと思います。
改善するべき所は沢山あります頭でっかちばかり集まって訳のわからん必要のない仕事ばかり増やして職人いじめをやめない限り職人のなり手は今後増えません。もっと職人と言う職業のいい所を理解して実行すればまた若い人達が集まってくることでしょう。
それから、現場監督達のマナーは最低です。言葉遣いも知らないし職人を小馬鹿にしている輩が多いですね!
マナー向上も必要だと思います。
職人の方がマナーがいい様にも思います。
長いコメントですがこれはほんの一部の内容です。
とにかく単価向上が鍵です。
ゼネコンにして地場の工務店にしても、ほとんどがどれだけ中抜きできるかのただのブローカーになりはてた。
末端の単価なんてかんがえてない。
自分がどれだけ中抜きしたかが自慢。