厚さ12mmのフロートガラスが・・・
とある航空部隊で勤務していた時のことです。「課業やめ」のラッパがなり、金曜日ということもあり早めに帰ろうと帰り支度をしていたところ、私の机の電話が鳴りました。
「すいません。○○班の△△ですが、うちの若い者が勢い余ってガラスを割ってしまいまして・・・ちょっと現場に来ていただけませんか?」
私は、残業していた部下をつれて現場に向かいました。現場に到着し、驚きました。建屋の入口のガラス戸が割れており、周りに血しぶきが飛んでいたのです。
現場にいた隊員に、この流血した隊員は大丈夫かと聞きました。どうやら本人は医務室で治療を受けており、意識はしっかりしているとのこと。とりあえず一安心です。
すると電話の主が現れて、「ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。割った本人は走って扉を開けようとしたみたいです。その際に、取っ手ではなくガラス部分を手のひらで押して割ってしまったようです。」と説明してくれました。
とりあえず、仮復旧として部下にベニヤ板を持ってくるよう指示し、ガラス片については割った隊員の所属の部隊で片づけをすることとなりました。残念ながら、今回のガラス損壊は業務に係るものではなかったため、ガラスを割ってしまった隊員の弁償となりました。
幸いにも、ガラスの在庫があったため、こちらで施工することとしましたが、ガラスを割った隊員には、新たに予備のガラスを購入してもらうことになりました。金額的には約2万円でしたが、若干20歳の隊員には怪我と合わせて痛手となったことは間違いありません。
それにしても厚さ12mmのフロートガラスが割れるとは・・・。前から傷が入っていたのかもしれないなと思いつつ、部下と一緒にベニヤ板で養生をしました。やはり定期的に施設の点検をしないといけないな、と反省しました。
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「Think Unthinkable!」
一部ではありますが、施設管理におけるトラブルをご紹介しました。
自衛隊内で起きた場合の処置は、内輪のみで済むので大騒ぎにはなりませんが、不特定多数の人が出入りする公共施設や商業施設で同じようなことが起こると、施設管理者の責任を問われかねません。
当然、自衛隊でも施設管理者の責任の所在は明確にしますが、民間では損害賠償や場合によっては裁判沙汰になることもあるでしょう。
施設利用者は、施設管理者の想像をはるかに超えた行動や使い方をしてきます。その使用方法が不適切であることを未然に防止することが、安全・安心な施設運営につながると思います。
私の上司がよく言っていた言葉があります。
「Think Unthinkable!(想像できないことを想像しろ!)」
確かに、昨今は、予想をはるかに超えた自然災害やコロナウイルスなどの感染病が日本列島のみならず世界中で蔓延し、明日何が起きるかもわからない時代です。
特に、建設現場や施設等の維持管理は常に人が活動しています。想像もしなかった事故が起きる可能性が高いです。
そんな時こそ、「Think Unthinkable!」の意識を持って、現場に臨むことが必要ではないでしょうか。
「Think Unthinkable!(でもやり方は教えない)」ですよね。