除雪隊出動
私が舞鶴で勤務していた期間で、除雪隊が出動していた回数の全体の3分の2近くが私の当直の時でした。それぐらい私は雪に好かれていたようです。
積雪3cmを超えると航空機を格納庫から出すことが難しいらしく、積雪3cmになりそうな時点で気象班当直から私に電話がかかってきます。通例のごとく夜中2時頃に待機室の電話が鳴り、その電話を受けて私が除雪隊の隊員を起こし、除雪車両の暖気をするよう指示します。
そして航空基地指揮官に除雪を行う旨の了解を電話で得たのち、管制塔当直に電話をかけ無線を常時とれるよう要請します。除雪隊員は各々、無線の電源を入れて待機室を出て車庫にある自分の担当車両に乗車します。それから管制塔を含めた無線通話の試験を行います(海上自衛隊ではレディオ・チェックといいます)。
そして除雪作業を開始します。舞鶴の航空基地では除雪要領が3パターンあり、作業出発前に除雪パターンを除雪隊員に指示します。除雪作業中、除雪隊指揮官である私は何をしているかというと、基本的には除雪隊指揮所から除雪作業の状況を監督します。
ただし、指揮所の場所から一部の場所が死角になるため私は原則、外に出て除雪状況を監督していました(降雪時の夜中は本当に体の芯まで冷えます)。

出典元:海上自衛隊第23航空隊HP(除雪作業)
当初は滑走路及びエプロンを中心に除雪車両を戦力投入しますが、隊員の出勤用のメイン道路も並行して除雪をします。滑走路がオープンになっても隊員が出勤できなければ意味がないからです。基地内の除雪作業が終わるのは、概ね朝7時から8時くらいです。
降雪が続くと滑走路とエプロンは除雪車両を交代で走り続けさせ、積雪させないように配慮します。舞鶴は日の出とともに降雪が弱まる傾向があるので、明け方で概ね任務完了し、次の当直に残雪処理等を引き継ぎます。
当直明けの現実
余談ですが、除雪当直明けのコーヒーは格別です。夜中から起きているのでテンションマックスです。しかし、残念ながら当直を交代しても業務のある隊員はそのまま継続して任務に従事します。
休める隊員は仮眠室で午前中は休ませ、午後から業務についてもらいました。ここが自衛隊のブラックなところであり、非常に残念なところです。現在はどのようになっているかはわかりませんが、当時はこのような勤務状況でした。
私も除雪後の報告や通常勤務があったため、除雪当直明けで休めたためしはありませんでした。今から思うと、文句を言いつつ仕事をしてくれていた部下の方々には頭が下がる思いです。
今回は、海上自衛隊の除雪隊についてお話ししましたが、現場では事故が起こることもあります。機会があれば、今度はそのお話もしたいと考えています。
もしかしてお会いしたことがあるかもしれませんね。
元機動施設隊にいました笑
そうかもしれませんね笑
コメントありがとうございます。