杭穴から施工管理技士をクローラークレーンで引き抜く
「まじでヤバイ、脱出できないかも」そんな不安がこみ上げてきます。周りから見ると、私は上半身だけ地面からニョキッと生えている、まさに人柱状態。そして「このまま人柱として死ぬのか」と笑えてきた瞬間のことでした。目の前にあるモノが降りてきました。天から降りてきた1本の蜘蛛の糸のように……。
私を救ってくれた蜘蛛の糸は、クローラクレーン(クローラークレーン)のフックでした。既製杭の大規模現場だったため、クローラクレーンが常駐していたのです。
私は神にもすがる気持ちというのはこういう心地かと思いながら、クローラクレーンのフックにしっかりと捕まると、オペさんに「OK」とアイコンタクトを送りました。
すると、じわじわと体が浮き上がって行きます。私は杭穴からの脱出に成功しました。もう半分泣きそうでした。たまたま腰の位置で止まったから助かったものの、もしも体全体が埋まるような落ち方をしていたら、命の保証はなかったかもしれません。いま考えてもゾッとします。
建築施工管理技術検定試験では出題されない「教訓」
命拾いして安堵感に浸っていた私を待っていたのは、泥まみれの作業服との戦いでした。近くの水道で泥を一旦洗い流してから、着替えをしようと事務所に戻りましたが、私の異様な姿を先輩たちが怪訝な目つきで見てきます。
私は事実を隠し通すこともできず、先輩方に杭穴に落ちたことを素直に話しました。すると事務所内は、爆笑の渦に包まれました。そのとき、まだ若かった私は、どれほど赤面していたことでしょう。
ということで、もし杭穴に落ちた人がいて、人力で救えないときは、クローラクレーンを使いましょう。こんなことは、施工管理技士の資格試験では出題されませんので、いざというときのために覚えておいてください。というか落ちないようにしましょう。
くれぐれもご安全に!
怖いです!!
参考になりました。
ありがとうございます。
私は杭の現場で杭穴ではなくピットに膝まで泥に浸かって動けなくなりました
私の場合はバックホーのバケットに掴まって引き上げて貰いました
腰まで浸かるなんて想像もしたくないです笑