同年代はほぼリタイアも、みんな働く意志は強い
――定年廃止について、渡辺さんはどう思われますか?
渡辺裕之さん(以下、渡辺さん) 私と同年齢の仲間たちはほぼリタイアしていますが、彼らがどういう気持ちでいるかというと、働ける場がないことを残念に思っているんです。親しい友人も「もし自分にあった仕事があれば働きたい」と話していました。
企業側としても、65歳定年により経営をスリムにしたいとの思惑があるのでしょう。ですが、この歳になって改めて人間にとって働くことは大事であると実感しています。
定年を迎えると、「これで人生楽になる」と思う反面、すこし時間が経つと「やっぱりオレは仕事をしていたほうが向いているな」と考えなおす方も多いと感じています。私自身、何もしない生活は性に合わないですし、会社に必要とされることは嬉しいものです。
今、時代が「定年延長」「定年廃止」の流れに向かっていますが、大変良いことではないでしょうか。
――渡辺さんはこれまで「建設業界一筋」ですか?
渡辺さん ええ。「1964年の東京五輪」の2年後に、ゼネコンに入社しました。希望通りすぐに現場へ配属され、区役所や駅ビル、銀行系建物の建築にも携わることができました。
ただ、52歳の時に大病し、療養までに時間が掛かったこともあり、60歳の時に退職しました。60歳からの10年間は、設計、施工、設備など建築の専門家ら7人とともに建築コンサルタント業を始めましたが、私が70歳を迎えた時に事業の中心人物が急死したことで、この仕事も廃業することになりました。
――一度は引退されたんですね。
渡辺さん ええ。最初のうちは「もう仕事をしなくてもいいか」とも思っていました。ところが「仕事をしたい」という気持ちが強くなり、だんだんイライラしてきまして(笑)。
そんな時、家内が新聞の折り込み広告で「メッドコミュニケーションズ株式会社」の社員募集のチラシを見つけて、「こんな不況の時にいい仕事がある。これは働けってことじゃないの?」って言ってきたんですよ。
それで半世紀ぶりに面接を受けてみることになったのですが(笑)、半ば諦めてもいたんです。ですが、面接後に「社長が面談したいので、今すぐ来てほしい」と電話があったんです。すぐに会社に行き、社長と面接をすると、その場で採用を即断即決していただきました。
資格こそ、高齢になっても働くための武器
――社長は渡辺さんの何が決断の理由になったんでしょうね。
渡辺さん 保有している資格の数は大きいと思います。一級建築士のほか、1級建築施工管理技士、特殊建築物調査士、マンション管理士、宅地建物取引士、マンション管理業務主任者、建築管理士、既存住宅状況調査技術者「インスペクター」と8つの資格を取得しています。
人間で一番頭が冴えるのは朝なので、朝3時に起きて勉強し、さらに宅建資格を取得するために専門学校にも通学して、資格を取得してきました。

定年制廃止の社内理解を深めるセミナーで、講師をつとめる渡辺さん
――資格こそが長く働ける秘訣ですか?
渡辺さん ええ。資格は高齢になっても働ける武器ですね。技術系職員であれば、資格をどん欲に取得すべきです。運転免許と一緒なんですよ。免許がなければ、いくら運転がうまいと自称しても公道は走ることができません。もし、自分が建築のこの分野で一生食べていくと決意したならば、踏み込んで勉強すべきです。
渡辺さんの記事を読んで、今日からまた頑張ろうと思いました!
3時に起きて資格勉強・・・。
頑張ります!!!
もうすぐ建築士試験だ!!
一日作さざれば一日食らわず
私も73で週4日現場監理の仕事をしています。
資格は大事ですね、面接でも必ず資格と現場経験
で判断されるようです。
私もコンクリート診断士の試験を受けるために
65過ぎてから、毎朝3時に起きて勉強しました。
その癖がついたのか、今も続けています。
早朝ウオーキングで足腰鍛えて頑張ってます。
努力する人がいてこれに応えてくれる会社がある。定年時期は個人差があっても良いと思います。経験があって資格がある人は宝だ。
こんな歳の人を採用している時点でいかに人手不足の業界なのか察せますね。
悪く言えば人手不足で年齢性別を気にしてる場合じゃなくなってきた。
そうじゃないんよ。
時代に則した仕事の仕方、物の考え方て仕事をいかに進め、効率をあげるかのために定年して欲しいのよ。
体が元気、英気モリモリの人でもその人のやり方で周りに負担をかけた方が会社にとって損失だよ