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本当は「誰も知らない」ブラストの世界

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公開日:2021.08.19 / 最終更新日:2022.08.16
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研削材メーカーとして「ネオブラスト」を製造販売

河原さん(ブラスト施工技術研究会 理事・企画運営長、山川産業)

河原さん(ブラスト施工技術研究会 理事・企画運営長、山川産業)

――それでは、それぞれの理事の方、会社紹介を含め、研究会での活動について、お話いただけますか?

河原さん(理事・企画運営長、山川産業) 研究会では、施工見学や会議の企画運営を担当しています。

私が所属する山川産業は、尼崎市に本社を置く研削材を販売する会社で、全国に8営業所、7工場を持っています。私は現在、関東営業所の所長をやりながら、ブラストリーダーとして、ブラストに関する教育、技術などに関するとりまとめも担当しています。

ブラストでは元来、珪砂と言うものが販売されていたのですが、「塵肺症(珪肺)」(シリカ、石英といった遊離珪酸を起因とする)になるので、人体に良くないということで、安心安全なフェロニッケルスラグを原料とした「ネオブラスト」という商品を開発、販売しています。橋梁、タンク、水門、船舶など、多岐に渡る鋼構造物をブラストする研削材として使用されています。ネオブラストは、安心安全かつ施工スピードにも優れており、全国でもトップシェアだと自負しています。

社内には技術部を設置しており、いろいろな研削材の打ち比べテスト、スピードテストなどを実施しています。そういったデータを研究会で共有しながら、安心安全で信頼できる研削材の開発に日々取り組んでいます。

尾道市を拠点にブラスト機械を製造販売

吉原さん(ブラスト施工技術研究会 理事・会計、吉原鉄工所)

吉原さん(ブラスト施工技術研究会 理事・会計、吉原鉄工所)

吉原さん(理事・会計、吉原鉄工所) 研究会では会計を担当しています。吉原鉄工所は、尾道市内にある会社で、ブラストの機械を製造しています。私は現在、おじから引き継いで、社長をやっています。小寺会長が経営する極東メタリコンさんとは、先代からお取引させていただいていました。その関係で、研究会発足当時から研究会に参加しています。

ブラスト機械の製造は、50年ほど前に始めました。尾道市を含む瀬戸内海は、造船業が盛んな地域で、当時、日本でも船の塗装前の下地処理にブラストを取り入れようという機運が盛り上がっていたころでした。地元の塗装会社から、弊社にブラスト機械をつくってくれないかという依頼があったことから、ブラスト機械をつくるようになりました。

その後しばらくは、造船関係のブラスト機械の製造に専念してきましたが、2010年以降は、造船以外のブラストにも力を入れており、プラント補修関係や工場ブラスト設備の受注活動を行っています。お客様からの引き合せで、橋梁関係のブラスト機械の製造のお仕事もいただくようになりました。その後は、橋梁関係のお仕事を中心に経営してきました。現在、ブラスト機械の売上に占める割合は70〜80%が橋梁関係です。

橋梁関係の仕事を始めたときは、研削材を噴射する圧力容器としての機械しか製造していませんでしたが、現在では、施工状況に合った様々なブラスト機械を製造しています。ブラストには、直圧式や吸引式、乾式や湿式、オープンブラストやバキュームブラストなど、様々な工法がありますが、すべて製造対応することができるようになっています。

弊社は社員17名の小さな会社ですが、機械設計、電気設計、製造、機械検査、営業などすべて自前で少数精鋭でやっています。すべての機械をオーダーメイドで一からつくれるのが、弊社の強みだと考えています。

長野県で橋梁へのブラスト施工などを手掛ける

安保さん(理事、安保塗装) 研究会の理事会に参加して1年目ですが、理事として安全WGなどに関わっています。松本市にある塗装屋で社長をしています。会社は今年創業84年目で、私で3代目になります。仕事内容は、橋梁塗装がメインで、建築塗装、防水、改修工事なども施工していますが、売上的には、橋梁関係が一番多いです。

「つくる」から「なおす」の時代になり、ウチがそれまでお付き合いしていた橋梁メーカーさんが次々工場統合化による工場閉鎖や廃業していく中で、私が社長になりました。会社をどう方向転換するかが、私の社長としての最初の仕事でした。

私にとって、プラストという技術は、塗装を行う上で、様々ある工程のうちの一つに過ぎませんでしたが、「素地調整というものはどうあるべきか」を考えたときに、自分の中でちゃんとした答えが見いだせないでいました。そんなとき、研究会の存在を知り、他の会社が素地調整をどのように行っているのかについて、お話をお聞きしたいのがきっかけで、研究会に入りました。

ブラストに関してはまだまだ勉強不足ですが、湿式や乾式などいろいろな工法を導入し、お客さまのニーズに合わせた施工ができるようにしたいと考えています。「ポリシーがない」と言われればそれまでですが、お客様に逃げられてしまうわけにはいきません。「橋梁塗装でなにか問題があれば、安保塗装に相談すれば良い」というところを目指して、今取り組んでいるところです。

――橋梁のブラストを始めたのは、いつからですか?

安保さん 橋梁のブラスト自体は何十年も前からやっていましたが、本格的にブラストをやり出したのはここ10年ぐらいです。長野県内では、橋梁の塗装塗替えにブラストを使うことは、10年ほど前までは、ほとんどありませんでした。

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この記事を書いた人

四国の犬
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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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