「暮らしたい未来のまち」を市民とともに描きたい
近年、気候変動の影響等による災害の激甚化・頻発化や新型コロナウイルス感染症の流行などの様々な社会情勢の変化が生じています。
そこで土木学会は、一般財団法人国土技術研究センター(JICE)と連携し、5月の連休中に、社会資本整備に関する意識調査を実施しました。具体的には、JICEがネットアンケートを実施し、「社会資本に関するインターネット調査2021」として2021年7月に発表しました。
全体として、3年前に比べ、災害の頻発や気候変動等による日本の将来に対する不安が高まっています。特にインフラ整備が不足していると感じている地域では将来不安が高く、若者は将来に対する期待も少なく、諦めのようなものがあります。
また、「防災・減災、国土強靱化」については、認識は高いものの、維持管理・更新の認識に変化はなく、海外のインフラ投資の拡大等の動向に関しては認識が低くなっています。
これらの結果からも、具体的な事業、予算・制度の裏付けのある信頼されるビッグ・ピクチャーが求められていることが明らかになりました。
また、土木学会×noteで、「#暮らしたい未来のまち」をテーマに、 投稿コンテストを開催します。「未来」にとっての「昔」にあたる「今」、暮らしを支え、幸せに繋がる「ビッグ・ピクチャー」をたくさんの人と描くため、「暮らしたい未来のまち」の姿を募集します。本日が募集のキックオフで、10月3日まで受け付けし、「土木の日」である11月18日に発表予定です。
是非、「#暮らしたい未来のまち」というテーマで、土木学会×noteへの投稿をお待ちしています。
開かれた魅力あふれる土木学会へ
谷口会長 残念ながら、土木学会の定款には「土木技術者の社会的地位向上」が入っておりません。まず、旧3Kである「きつい、汚い、危険」から、「給料」「休日」「希望」の新3Kにチェンジしていかなければなりません。
土木学会は産官学の集まりですから、土木技術者の社会的地位向上を目指しながら、土木工学関連に入学する方、また土木界に入職する方が多くなることが重要ではないかと思います。
そのために、土木学会は情報、知識、知恵の宝庫となり、時には相談・駆け込み寺の役割を果たしていきたいと考えております。そのためにもエビデンスに基づく、タイムリーな提言として「土木のビッグ・ピクチャー」を策定したいのです。
土木学会23代会長の青山士は、「萬象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ 人類ノ為メ國ノ為メ」という名言を残しております。つまり、志を高くし、信念をもってやり抜く心が土木技術者に求められています。
彼は会長に就任した時、「civil engineering」を「文化技術」と訳しています。土木技術者は青山士に学び、単なる土木技術だけではなく、文化技術の視点も必要なのではないでしょうか。
これから支部の活動も含めて、ビッグ・ピクチャーの議論を深め、環境整備を進め、最後は政治に提言し、動いていただくことに繋がればと考えております。