グリコンは家から一番近い職場だった

福間さん
――福間さんは何年目ですか?
福間さん 社員になったのは、今年の4月です。グリコンには、昨年12月からアルバイトとして働いていました。
――グリコンに入る前は?
福間さん 音楽活動をしていました。
――音楽活動ですか?
福間さん サクソフォンという楽器を演奏していました。広島市内にあるエリザベト音楽大学を卒業してから、国内外で演奏活動をしていました。
――なぜグリコンに転職を?
福間さん コロナ禍で、演奏する機会がゼロになってしまったからです。私には2才の息子がいるのですが、収入がないので、「このままでは家庭崩壊するな」と思いました。「30才も過ぎたし、もう潮時かな」ということで、音楽以外の仕事に就こうと考えました。
それでいろいろ求人を調べ始めたのですが、とりあえず「家から一番近い職場」を探しました。それで見つけたのがグリコンだったんです。自宅は同じ府中町にあり、会社まで徒歩8分でしたので(笑)。とりあえず、グリコンに応募しました。グリコンの仕事内容などを調べていくと、「これなら自分にもできそうだ」と思うようになりました。それで、とりあえず、アルバイトとして働き始めました。
https://youtu.be/y7U3Cfcb_eU
元プロのサクソフォン奏者にルパン三世のテーマを吹いてもらったら、スゴかった / YouTube(椿四十郎)
採用の決め手は、本人の「ヤル気」
――福間さん採用の経緯を教えてもらえますか?
佐々木さん 中国営業所では社員が高齢化しているので、若手社員が欲しいということで、常に求人を募集していました。しかし、求人を出しても、誰も手を挙げない、応募がないという状況でした。そんな中で、福間さんから応募があったわけです。
面接をすると、真面目そうだし、ヤル気もありそうだし、管内であればある程度の出張もできるということだったので、アルバイトとして試運転してみようという話になりました。異業種からの転職なので、「この業界に本当に耐えられるか」、様子を見ようということでした。
福間さんのアルバイトとしての働きぶりは、自分から積極的に仕事を覚えようとしている姿勢が見られたので、社長に相談した上で、正社員として採用することになりました。決め手になったのは、やはり「本人のヤル気」でしたね。

土の粒度試験(ふるい分け)を行っている福間さん
――福間さんの指導教育は、武田さんがなさっていたのですか?
武田さん ウチの仕事は、土木の中でも試験に特化した仕事です。土木の仕事は、平たく言えば「算数」です。算数ができれば、土木はできるわけです。そういう意味では、土木のことはなにも知らないとしても、誰でも土木の仕事を覚えるチャンスがあるわけです。福間さんが入ったときには、試験内容について簡単に説明しながら、作業内容について学んでもらいました。その作業内容の目的についても説明しながらやりましたね。
――「本人のヤル気」を感じたわけですね。
武田さん それは感じましたね。ある程度仕事に慣れたころに、「一人でやってくれ」と仕事を投げたのですが、以前教えたことをちゃんとメモに取っていて、それを見ながら一人でやり切りました。それは感心しましたね。それでヤル気を確信しました。
音楽の仕事より、働く時間は減った
――今どんなお仕事を?
福間さん 今はNIPPO中国支店試験所に派遣というカタチで、依頼試験や現場試験をこなしています。まだまだ日々勉強しながらですが、1人で作業することもあります。
――音楽と土木ではまったく違う仕事だと思われますが、戸惑いとかはないですか?
福間さん 仕事でわからないことはたくさんありますが、戸惑うとか、イヤだなと思うようなことはなかったです。子どものころから工具に触ったりするのは好きだったこともあって、現場仕事なんかもスッと入っていけましたね。高校も理系の学科だったので、数字とかにも抵抗感はありませんので。
音楽の仕事をやっていたときは、自分で車を運転して、会場まで行って、演奏を終えて帰ってくることの繰り返しでした。北海道と沖縄を除くすべての都府県というカタチで出かけていたので、基本的に演奏時間よりも運転時間のほうが全然長かったわけです。
グリコンでは、中国地方の現場に行くこともあるわけですが、音楽をやっていたころに比べれば、移動がスゴく近く感じています。そういう面では、音楽を仕事にしていた時より、総計労働時間は減りました。
――音楽家として活動していたころのほうがきつかったですか?
福間さん きつかったですね(笑)。自営業でしたので。午前2時に家を出て、午前9時に着いて、1時間演奏したら、また7時間運転して帰るという日々だったので。それと比べれば、精神的にも肉体的にも、今の仕事のほうがラクですね。
武田さん 福間さんにちょっとキツい仕事を任せたこともあったのですが、「これぐらい全然楽勝です」と言っていました。それ以外でも、ネガティブなことは一切言いませんでしたね。そういうところも含めて、「ヤル気があるな」と感じたわけです。
自分のためではなく、家族のために働く
――福間さんに今後どうなってほしいとかありますか?
佐々木さん 福間さんは一番の若手なので、将来的には営業所を担う人材に育ってほしいと思っています。今のところは試験調査だけですが、時間があれば、CADの使い方なども覚えていってほしいですね。少しずつで良いので、スキルアップしていってもらいたいと思っています。
武田さん 自分が経験したことを、同じように繰り返しやっていける人になってもらいたいですね。あとは、新しい人が入って来たときに、教えられるような人になってほしいと思っています。
――お二人のお話を聞いて本人としてどうですか?あと、音楽演奏のほうでも期待されているようですけど。
福間さん 音楽のことで会社の役に立てることがあれば、もちろんやりたいと思っています。音楽活動は、「自分がやりたい」からやっていた仕事でしたが、今の仕事は「家族のため」にやっている仕事です。20才代のころは「自分がやりたい」を突き進んでも良かったと思っていますが、結婚し、子どもができた30才代になった今は、「家庭を守ること」を最優先にしなければならないと考えています。これからは「自分のためではなく、家族のために働く」ということですね。
そのためには安定したものが必要です。ただ、音楽で生活することはとても不安定です。評価してくれる人はいますが、多くはありません。音楽で生きることについて、自分としてはやり切ったと感じています。
これからは、新しい業界の中で、自分が身に付けられることを身に付けていって、スキルアップしながら、グリコンの役に立ちたいと思っているところです。
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